第11話

11*
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2021/05/16 09:00
花火会場についた


人ごみに紛れても、ふんわり


オシャレないい匂いがした
あなた
さとみくん、今日もいい匂いするね
あなた
香水つけたの?
Satomi
あ、バレた?
Satomi
この香水お気に入りなの
あなた
私も好きかも
Satomi
お揃いの匂いで買う?
あなた
欲しいけど、もうこの匂いはさとみくんの匂いになっちゃった
Satomi
へ~…なら、尚更付けてよ
なんて言って、私に手を伸ばす


肩に手を回されるような形で


手首を私の首につけてきた
あなた
やだっwwやめてよ~ww
なんて身をよじったら
???
…いって
思いっきり他人様の足を踏んじゃった


まだ負の連鎖は続いてるらしい
あなた
ごっ、ごめんなさいっ!
???
大丈夫です…って、あなたじゃん
あなた
へっ…?
あなた
…って、なーくん…久しぶりっ!
あなた
あ、足大丈夫?
あなた
怪我してない?
あなた
ごめんね…
Nanamori.
一気に喋りすぎww
Nanamori.
まぁ、いいけどね…ww
って、なーくんの目線の先にはさとみくん


なーくん…目が笑ってないよ…
Satomi
どーも、ななもりくんは1人で来たの?
Nanamori.
…なわけないでしょ
そう言うとなーくんは友達と思われる人たちのところに去って行った


なーくん、感じ悪い


まぁ、踏んだの爪先だったからね


痛かったんだろうな…


なーくんの背中に向かって、ナムナム


拝み終わったら、私たちも場所取りに行く









花火の打ち上げ時間が迫ってることもあって


いいところなんて全然空いてない
あなた
私が遅刻したせいで…ごめんね…
Satomi
謝んないでよww
Satomi
花火はどこからでも見えるよ?
にこって笑いながら、空を指さすさとみくん


心の広さありがたや


のんびり、空を見上げる


ほのぼの


いい感じ


もうすぐ花火が始じまる


前も後ろも、両隣も人で溢れてきた
Satomi
あなたちゃん、はぐれるよ
さとみくんが左手を差し伸べてきた


…この手は何?


はっ…まさか…手を繋ぐ…とか?


さとみくんの浴衣の袖をギュッて掴む


手は…ねぇ?


その…汗が…さww


恥ずかしいものはしょうがない
Satomi
え?そっち?ww
Satomi
まぁ、いいけどねww
Satomi
はぐれんなよ?
あなた
うん、絶対離さない
Satomi
絶対だからね?
花火が始まった


パラパラと花火が散る


それを眺めるさとみくんを観察中


…不覚にもカッコイイと思ってしまった
Satomi
なーに見つめてんの?あなたちゃん
あなた
あ、バレてたww
Satomi
バレるでしょww
Satomi
あ、もしかしてそこからだと花火見えない?
グイッと顔を寄せた


私の目線に近づき


近づく彼の横顔


…近いんだよな


うわぁ…肌すべすべだぁ…


あ、この人もしかして…毛穴無い方…!?
あなた
…。
Satomi
なんだ、ちゃんと見えるじゃん
至近距離


目があった


パッて、目を逸らしちゃった


特に意味は無い…と思う


そんな私のことを見てクスって笑うさとみくん


…負けた気分
Satomi
あなたちゃんさ…ちゃんと誰かを好きになったことある?
あなた
あるよ?
Satomi
そう?
何よ、その疑いの目


ちゃんと好きにならなきゃ付き合わないでしょ?


失礼しちゃうよね
あなた
そう言うさとみくんこそ、ちゃんと好きになったことあるの?
Satomi
ん~…どうだろ
あなた
付き合ったことはあるんでしょ?
Satomi
たくさん
あなた
…だよねww
…やっぱりチャラいんだ


ちょっとガッカリしたかも…


…って、何でガッカリしてるんだろ?


まぁいいや


話変えちゃえ~!
あなた
スターマイン始まったね!
夜空をカラフルに照らす、スターマイン


途切れない音


大好き
Satomi
でも俺、あなたちゃんより一歩リード
あなた
何が?
Satomi
最近好きって気持ちがわかったかも
あ、話戻された
あなた
一歩リードって…
あなた
私だって好きって気持ちぐらいわかってます~!
Satomi
…似てるからわかるんだよね
Satomi
多分…
あなたちゃんは、まだわかってないよ
あなた
そんなことないけどな~…
恋愛だっていっぱいしてきたもん


そう反発しようとしたら


浴衣の袖を掴んでた私の手を


さとみくんが握りしめてきた
Satomi
でも俺は______
さとみくんの声は


スターマインの音にかき消された

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