第60話
🥀 ×60
あなたside
亜生と別れた…。
別れちゃった
私には亜生しか居なかったのに、
離れる時はこうも簡単に離れてしまうんだ
亜生は私一人を選ばず
他の8人の女を選んだ
こういう時私にはギターがある。
辛い時、苦しい時歌を歌って乗り越えてきた。
大丈夫
私なら先に進める…。
ガチャッ。
と音と共に拓文が入ってくる。
こんな、泣いてる所見せらんないよ…
甘えよう。
今は拓文の優しさに甘えよう。
そう言い私を抱きしめながら
頭をわしゃわしゃしてくる拓文。
こんないい子居ないよ…
拓文には感謝してもしきれない
何も話してないのに察してくれて、
私のかけて欲しい言葉をかけてくれる
今の私は拓文の優しさがなきゃ立ち直れないかも
しれない。
立ち直れなかったかもしれない。
私は拓文に髪の毛を切ってもらい、
ショートになった
心だけじゃなく体にも傷をつけたかった
身に染みて感じたかった
この苦しみ。辛さ。悲しみを…
私が恋愛できた証を残したかった
私は今日ひとつ学んだんだ。
いくら勉強しても手に入れられないこと、
誰かひとりの大切な人
"たった1人"の大切な人になるのは
すごく大変で苦しい事なんだ。と…
しばらくすると久々に泣いたからか、
私は拓文の膝の上で寝てしまっていたらしい