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第5話

想い出と出会い
_空羽中学校入学式 8:00 通学路_[莉海]
風がようやく春の暖かさを、草花の優しさをつれてこれからの新しい生活を応援しているよう感じられる4月の始まり。
今日はいよいよ桜川中学校生活スタートの日。
現在時刻は8時。入学式は9時からで、家から学校は20分程の距離となっていて時間に余裕もあり、莉海は春の良さを噛み締めながら期待と不安を胸に中学校へ向かっていた。
「中学校でもいっぱい友達作って、部活も一生懸命やって…楽しみだなぁ」

すると少し奥の方で見るからに不良な3人組がこの決して広いとは言えない道で横に広がって歩いていた。何かの話題で盛り上がっていて、前もしっかり見ていないようだ。そこに莉海と同じようなデザインの制服を着た男子生徒、制服のサイズから見て新入生だろう。その男子生徒と不良がすれ違う…と思いきややはりぶつかってしまった。すると
(不良1)「あぁ?てめぇどこ見て歩いてんだよ…いてぇじゃねぇか」
やはり不良が突っかかっている。
(男子生徒)「す、すみません…」
(不良3)「あぁ?すみませんで済むと思ってんのかよ?」
(男子生徒)「本当にすみません…僕の不注意でした…」
(不良2)「ボス、こいつ生意気ですね。やっちまいましょう。」
(不良1)「まてまて!こんなところでやったらサツに見つかっちまうだろう?」
部下らしき不良達は納得したように男子生徒を路地裏へつれていこうとしている
(男子生徒)「あ、あ、」
男子生徒は震えている。声も出せず、足も震え、逃げ出すことも出来ないようだ。

「ちょっと待ちなさい!!」
莉海は勢いよく飛び出した
不良達がめんどくさそうに莉海の方を見る。
(不良3)「なんだおめぇこいつのダチか?」
(莉海)「あなたたち、多勢に無勢で情けないと思わないの?」
(不良1)「おいおいお嬢さん何か勘違いしてないか?先に突っかかって来たのはこいつだぜ?」
男子生徒の胸ぐらを掴んで乱暴に持ち上げた。男子生徒は頬に軽いアザができている。
それを見た瞬間、莉海は今まで感じたことのない怒り、同じ“人”にこんな酷い人がいるという事実に絶望し哀しくなった。
男子生徒は項垂れている。
(莉海)「そう?私はあなた達が道に広がって歩き、前方をきちんと確認してなかったからぶつかったように見えたわ。私は彼に罪はないと思う。放してあげて。」
(不良2)「お嬢ちゃん。お嬢ちゃんが思ってるほどこの世界は甘くないんだぜ?つまりこいつはまだ仕打ちが必要だ」
(莉海)「………ぁ」
莉海は悔しかった。この選択を間違ってしまった人たちを直してやれないのが。悔しくて堪らなかった。
(莉海)「分かった。仕打ちが必要なのね。けど私は見てしまって声をかけてしまった以上、もう見捨てることは出来ない。私が仕打ちを受ける。だから…だからその代わりに彼を放して。」
男子生徒は微かな意識の中、必死に首を横に振っていた。全てを拒むように。必死に。
不良達は少し黙ったものの、ニヤリと意味がわからない含み笑いと共に条件を呑んだ。
男子生徒が投げ出される。
何度か咳をし、莉海を見つめた。縋るような苦しみの混じった瞳だった。
莉海も覚悟は決まっていた。
『彼が傷付けられるよりずっとずっとましだ。』
そう、言い聞かせた。
そして不良と莉海が歩き出す。男子生徒を置いて。

その時

(?)「ねーねーおにーさんたちーー!!」
この人生の終わりのような重たい雰囲気には地球上で一番似合わないような明るい、そして貫禄のある声がいやというほど響いた。
(?)「なに…してるの?」

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朱茶_見る専
朱茶_見る専
ακаηёと仲良くしてくれた人ありがとうございました! リアルが忙しくなってきて負担となってしまった為、小説投稿、プリ小説から離れます。
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