みこママは保健室へ走って向かった。
涼翔、文くん、松下くん、仁宮くんが手を上げる。
赤ゼッケンをAコートの4人に配る。
佐々木くん、田所くん、多倉くんの3人が手を上げる。
そのとき、みこママが戻ってきた。
みこママはさっきの可愛い雰囲気がなくなり、さばさばしたスポーツ女子になっている。
みこママはゴールの前にボールを置いて立った。
特に力強くも助走もかけていない。
なのに…真っ直ぐ、ゴールに向かって物凄い速さでボールが入った。
みこママは、どちらも綺麗にゴールへとボールを運んだ。
特にカーブは拍手が自然に湧いた。
すごいというレベルでは収まらない。
上級者しかできないような技をなんなとこなす。
その言葉がみこママの耳に入ったのか、みこママは勝基くんの目を見て応えた。
黙り込むみこママ。
黙っていた生徒さんたちも
「「「ハイッ!!!!」」」
と声の通る大きな返事をした。
その後、シュート練、1対1、2対3、4対1、試合、その他諸々の練習をし、こうして、お父さんの1日コーチは幕を閉じた。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!