第107話

初々しさ
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2018/05/03 08:23
緋色郁文
緋色郁文
(うわっ、姉ちゃんいるし…)
シンデレラ城前で写真を撮ろうと言ってきた和誉ちゃんのために来たものの、目の前には『神谷』と姉が呼んでいた男子と2人で写真を撮っているところを目撃してしまった。
和誉
和誉
郁くん。撮ろうよ!
緋色郁文
緋色郁文
うん…
そして見事に、郁文となほちゃんの自撮り写真にはもれなく、神谷とあんが写っている。
弟としてはなんとも複雑な心境である…
緋色郁文
緋色郁文
(姉ちゃん男見る目無いけど、大丈夫だろ。)
緋色あん
緋色あん
ちょっ、神谷ーっ!!
ぶれてるよ笑
神谷水翔
神谷水翔
ごめん…笑
和誉
和誉
郁くん、
そろそろアトラクション行こう?
時間が止まってたかのようだった。
現実に引き戻される。
緋色郁文
緋色郁文
(あー、ヤベ。
あんと神谷とか言う男の恋愛映画を見てる気分だったわ。)
郁文は和誉ちゃんの手を取り、先導する。
和誉
和誉
えっ…///
緋色郁文
緋色郁文
ごめん、嫌だったら離して良いから。
和誉
和誉
嫌じゃないよ…///
和誉ちゃんは顔を真っ赤にして、郁文は俯き早足で歩く。
和誉
和誉
(怒らせちゃった…?)
だが、俯いている郁文の顔は嬉しそうであり、照れているようでもあるなんとも幸せそうな顔をしていた。
緋色郁文
緋色郁文
和誉、どこ行きたい?
和誉
和誉
郁くんは??
緋色郁文
緋色郁文
俺?
郁文には思い出があった。
懐かしい思い出。だから、そこしかなかった。
緋色郁文
緋色郁文
そうだな…

















“イッツ・ア・スモールワールド”

かな?
和誉
和誉
ふふっ…
緋色郁文
緋色郁文
なんだよ
和誉
和誉
いや…///
郁くんにも可愛いところあるんだな
って思ったから…
緋色郁文
緋色郁文
…恥ずかしすぎる
初々しい郁文と和誉ちゃんのデートは終始笑顔が耐えなかった。

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