シンデレラ城前で写真を撮ろうと言ってきた和誉ちゃんのために来たものの、目の前には『神谷』と姉が呼んでいた男子と2人で写真を撮っているところを目撃してしまった。
そして見事に、郁文となほちゃんの自撮り写真にはもれなく、神谷とあんが写っている。
弟としてはなんとも複雑な心境である…
時間が止まってたかのようだった。
現実に引き戻される。
郁文は和誉ちゃんの手を取り、先導する。
和誉ちゃんは顔を真っ赤にして、郁文は俯き早足で歩く。
だが、俯いている郁文の顔は嬉しそうであり、照れているようでもあるなんとも幸せそうな顔をしていた。
郁文には思い出があった。
懐かしい思い出。だから、そこしかなかった。
初々しい郁文と和誉ちゃんのデートは終始笑顔が耐えなかった。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。