審判の涼翔に何か話している。
だけど聞き取れなかった。
後半のゲームが始まった。
と、同時に足が相手チームから伸びてきた。
長足、見れば分かる。夕稀さんだ。
ある程度敵を引っ張ったところで
ボールを軽く止め、ゴールからかなり離れたところで音もなくシュートする。
その言葉に本当ににあった人なんだと私は心から思った。
結局、2対5で惨敗。
始めから分かっていた結果だとしても、やっぱり悔しい。
もう日は暮れ始めている。
帰りは浬くんと千誉の昔話を聞きながら
今日の皆で帰った。
瞬き1つしないでこっちを見詰めている文くん。
呼吸を整える文くん。
何だろう。真剣な顔しちゃう。
ということで、走ることになりました。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。