ふと気になった。
夏でも、体育でも、給食の時以外の全ての時間でマスクを付けている。
神谷と府間は同じ小学校だったらしいが、私は違う小学校だった。
だから、今年初めて2人に出会った。
神谷に何があったのかは知らない。
ただ、今私に出来ることは神谷にマスクについて聞かないことだと思った。
このクラスでは掃除場所が半年変わらない。
私は黒板清掃だ。
黒板を綺麗に拭いて、日付を変更して、黒板クリーナーで黒板消しのチョークをとる。
最後に時間割りを合わせて終わり。
3人でやるからすぐ終わる。
一方、府間と神谷は教室雑巾だ。
この2人はしょっちゅう喧嘩してるから教室に置くことになった。
この時、事故が起きた。
この時、私が神谷の前を通らなければそんなことにはならなかったはずだ。
神谷は折り返して往復するところだった。
私はそれに気づかず、彼が視界に入ったのは
───あと1センチの距離だった。
私は衝突直後に背中を床にぶつけ、私の上には神谷が寸止めの距離に居る。
倒れた肩の上に神谷の手がある。
それで何とか私に触れないように支えてる。
これは俗に言う…
──床ドン…?
そんなことを考えている間に顔が真っ赤になっていることが見えない自分でもわかった。
神谷がどくが、私は立ち上がれなかった。
立ち上がろうとすると腰に激痛がはしった。
私は神谷と友達に保健室に連れて行って貰った。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。