第9話

事件
397
2018/02/06 22:01
緋色あん
緋色あん
ねえ、府間。
府間邦雅
府間邦雅
何?
緋色あん
緋色あん
何で神谷ってマスク付けてるの?
府間邦雅
府間邦雅
あー、あれ。
小学校のときからだよ。
ふと気になった。
夏でも、体育でも、給食の時以外の全ての時間でマスクを付けている。
府間邦雅
府間邦雅
神谷これ知られたら
嫌がるから言えねーけど。
緋色あん
緋色あん
何で??
何かあったの?
府間邦雅
府間邦雅
あいつ、小学生の頃
大変だったからな…
緋色あん
緋色あん
ふ~ん…
神谷と府間は同じ小学校だったらしいが、私は違う小学校だった。
だから、今年初めて2人に出会った。

神谷に何があったのかは知らない。
ただ、今私に出来ることは神谷にマスクについて聞かないことだと思った。
先生
今日、掃除あるよー
府間邦雅
府間邦雅
まじかよ~
このクラスでは掃除場所が半年変わらない。

私は黒板清掃だ。
黒板を綺麗に拭いて、日付を変更して、黒板クリーナーで黒板消しのチョークをとる。
最後に時間割りを合わせて終わり。
3人でやるからすぐ終わる。

一方、府間と神谷は教室雑巾だ。
この2人はしょっちゅう喧嘩してるから教室に置くことになった。
先生
神谷君!最初から!!(怒)
神谷水翔
神谷水翔
え~、疲れたんっすよ。
先生
当たり前じゃない!
この時、事故が起きた。
緋色あん
緋色あん
じゃ、雑巾洗ってくるねー
友達
うん
この時、私が神谷の前を通らなければそんなことにはならなかったはずだ。
神谷は折り返して往復するところだった。
私はそれに気づかず、彼が視界に入ったのは


───あと1センチの距離だった。
緋色あん
緋色あん
うえっえぇ!?
私は衝突直後に背中を床にぶつけ、私の上には神谷が寸止めの距離に居る。

倒れた肩の上に神谷の手がある。
それで何とか私に触れないように支えてる。

これは俗に言う…















──床ドン…?




そんなことを考えている間に顔が真っ赤になっていることが見えない自分でもわかった。
神谷水翔
神谷水翔
あ、ごめん
緋色あん
緋色あん
…だいじょ…ぶ…
神谷がどくが、私は立ち上がれなかった。
立ち上がろうとすると腰に激痛がはしった。
緋色あん
緋色あん
痛っ…
神谷水翔
神谷水翔
え?だいじょぶ??w
手、使う??
友達
大丈夫!?あんちゃん!!
緋色あん
緋色あん
痛い…(泣)
私は神谷と友達に保健室に連れて行って貰った。

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