〜you side〜
リアさん…顔は笑ってるけど…めちゃくちゃ怖い…
見下されるような体勢になっていることもあり威圧感が凄い…
さっき居た魔物の何倍もの魔力に押しつぶされそうだ
今すぐ逃げ出したいのに体が動かない
手足が震えて声が上手く出せない
さっきの牢屋しかないのか、リアさんが悩む素振りを見せる
少しづつ魔力が薄くなってきて手足の震えがおさまる
元々、ここに人間や小型魔物が来ることなんか想定してないみたいだ
鉄格子がダメなら…と対策を取られてしまった
内心はさっきの薄暗い牢屋じゃなくなって良かった…と安心した
さっきの魔法を見せられたら、今は抵抗するのが得策ではないことが容易にわかる
同じような景色の続く長い廊下をリアさんに着いて歩く
窓から逃げれないかな…と考えたが、見た感じここは地上からかなり離れている
やっぱり逃げるなら1階まで降りないと行けないみたいだ…
かなり大きなお城なのか、長い距離を歩いた
南側の角部屋で、魔王様やリアさんの部屋の1階下らしい
中は小さな窓が1つと、天蓋付きベットや机などの家具、地面にはふわふわの絨毯が敷かれていた
思っていたよりも綺麗な部屋で驚いてしまった
一通りの説明をするとリアさんは足早に出ていった
リアさんが出て少しすると「ガチャン」と、鍵の閉まる音がした
ここから逃げる方法を考えながらふかふかのベットに飛び込んだ
今日は色々ありすぎて疲れてしまった
早く逃げなきゃ…なんて思っても睡魔には抗えなかった
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!