〈一ヶ月半後〉
あなた「任務ももう折り返しだね…」
あなた「まだまだ呪霊いるけど…」
あなた「なんかこの旅館にも慣れちゃった」
あなた「暇」
棘「落ち着いたし、」
棘『買い物でも行く?』
あなた「え、いいの?!」
あなた「行く行く!」
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棘『昔はよく着物着てたのに…』
棘『呪術習い始めてから着なくなったよね』
あなた「う?。」
あなた「スカートとかヒラヒラしたものは…」
あなた「邪魔だからね」
あなた「ズボンばっかりはいてる気がする」
棘『…もう着ないの?』
あなた「う〜ん…」
あなた「あったら着たい…かな?」
棘『…』
棘『じゃあさ、プレゼントさせて?』
あなた「え?!悪いよ!」
あなた「なら自分で買う!」
棘『いや、プレゼントさせてよ』
あなた「いいの?」
棘『久しぶりに見たいしね』
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〈カフェ〉
あなた「ありがと。棘兄」
あなた「綺麗な青空色の着物だね」
あなた「着るの楽しみ!」
棘『良かった』
棘『3か月友達と離れると寂しいからね』
棘「楽しんでくれて良かったよ』
あなた「棘兄…ありがと//」
あなた「ねぇ、棘兄…」
あなた「私ね、」
あなた「野薔薇達に嘘ついちゃった…」
棘『どんな?』
あなた「…」
あなた「東京に来た理由。」
あなた「家から出たかったからなのに…」
あなた「『百鬼夜行が怖いから』なんて、」
あなた「嘘ついちゃった…。」
あなた「まぁ、確かに?」
あなた「霊とかちょっとキモいから嫌いだけどさ?」
あなた「いつホントの事打ち明けようかな…」
棘『ゆっくりで良いんだよ』
棘『待ってくれるから』
あなた「うん…。」
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。