赤葦side
昨日、神倉さんの従兄弟が牛島さんであることがわかった。
まあ、納得はした。
あの牛若の従兄弟。
だろうな。
表情が読みずらい訳だ。
でも、俺は今それどころではないほどの試練に立ち向かっている
赤葦「木兎さん、なんで数学赤点なんですかっ?」
俺の目の前で怯える木兎さん。
木兎「落ち着け、あかーしっ!話せば分かる!」
何が分かるんだ?
赤葦「分かってるんですか?あとちょっとで合宿が始まるんですよ?その中、赤点なんて、」
神倉「でも、良いじゃ無いですか、1教科でしょう?」
横から入ってくる神倉さん。
確かに、補習はあっても1教科の一回ですめば良いのか?
神倉さんは、木兎さんの方へ行き、木兎さんの肩を叩いてこう言った。
神倉「ウチの従兄弟の若利君は、バレーの為に、勉強しているので頭は良いですよ。」
その一言が木兎さんに火を付けたらしく、その日から木兎さんはしっかり勉強し始めた。
無事、一回で補習が終わった。
なんとか一件落着。
神倉さんには感謝だな。
赤葦「じゃあ、明日からの合宿についての最終確認をします。」
放課後の部活で、しっかりと伝えないと木兎さんは絶対忘れる。
赤葦「会場は音駒高校、参加高は、梟谷グループと烏野高校です。」
神倉「えっ」
烏野高校といった瞬間、神倉さんから声があがった。
表情は変わらなかったけど、嫌がっているように見えた。
赤葦「神倉さん?」
神倉「ああ、いや、何でもないです、続けてください。」
明らかに何かを隠している神倉さん。
木兎「どうしたっ!?烏野に元カレでもいんのかっ?」
だから、直球なんだよな!
神倉「__....はい。」
えっマジ?
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。