俺はよく、
「なに考えてるかわかんないよね。」
とか、怒ってないのに
「怒ってる?」
とか、
「ポーカーフェイスだよね。」
とか、
自分ではそんなことないのに、言われてしまう時がある。
だけど、周りをよく見て欲しい。
いるじゃないか。
皆から〈ポーカーフェイス〉と言われているこの俺がポーカーフェイスだと思う人。
神倉あなた
綺麗な顔で、俺のどタイプ
でも、笑った顔を見たことがない。
いつも一人、ではなく、周りにはなぜか女の子が沢山いて、最初は虐められてるのかと心配したが、
ただの勘違いで終わった。
見てみたいなぁ。
そう思い、いつも一緒にいる女の子たちに笑顔を見たことがあるか聞いてみた。
全員noだった。
木兎「赤葦~~!部活行こうぜ!!」
木兎さん、ウチの先輩
赤葦「五月蝿いですよ。今行きます。」
今行きますを言う前にいじけた顔をした
神倉さんもこんな風に表情豊かだったらいいのになぁ。
赤葦「俺ってポーカーフェイスだと思いますか?」
部活の先輩に聞いてみたことがあった。
猿杭「うーん"(-""-;)"
あっ試合中はわかりやすい。」
そう答えられた。
“試合中は”
他はそうではないのか。
でも確かにそうかもしれない。
試合中は感情のふりこがあっちにこっちにするからその時は表に出るのかもしれない。
翌日
赤葦「神倉さんと話してみたいんだけど、どうしたら話せるかな。」
菊野「めっっずらし! 話そうと思えば話せるよ。」
どう言うことだろう。
昨日話してみたかったけど、どうしたら話せるかなと考え、いつも一緒にいる菊野さんに聞いてみることにしたんだけど、
さっぱりとわからない。
「とりま、ガンバ!」
って言うけど、いざってなったらなにを話せばいいのか分からない。
赤葦「あのさ、かm白福「あっかあし~」
なんてタイミング良い!
白福「あっごめん!邪魔したぁ!んじゃ手短に」
赤葦「はい。」
白福「今度、夏休みの遠征あるじゃん。そん時のマネージャーが欲しい。
雀田来れないから。」
赤葦「勧誘ですね、分かりました。」
白福「あんがと!んじゃガンバ!」
今日は沢山の人に応援されるな。
さて、気を戻して、
赤葦「あのさ、神倉さん。」
少し高い声が出てしまった。
あなた「はい。」
予想はしていた。
真顔で返事。
引かれなかっただけ幸運か。
赤葦「今度、バレー部の遠征があるんだ。それで、マネージャーのお手伝いで来てくれないかな?」
あなた「いいですよ。」
!!!???
これは予想外だ
断られることを予想していた。
あなた「詳しいことを聞きたいので、今日バレー部に行ってもよろしいですか?」
赤葦「えっあっう、うん。ありがとう。じゃあ、放課後。」
あなた「はい。放課後。」
嬉しがるべきなのか、驚くべきなのか、
なんとも言えないけど、話せた
この調子で頑張ろう。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。