第34話

第33話
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2021/02/05 12:47
それから少し話して、お母さんとの通話は終わった。
出した転校届の取り消しをしなくてはならないが、
今は、そんな事より気になる事がある。
凛
.........何で、来てくれたの?
怒って居るようにも、寂しそうにも見える幼馴染の。
梨央
梨央
.........
学校を抜け出してまで来てくれた理由が、気になった。
数分の間、お互いに何も話さない時間が続いて。
梨央が、ゆっくりと口を開く。
梨央
梨央
.....守られてばっかなのは、
もう嫌だったから
凛
...え?
梨央
梨央
凛ちゃんは、俺に無い物...全部持ってて。
ちっちゃい頃から俺のヒーローだけど
梨央
梨央
頼ってくれないのも、
相談してくれないのも、違うよ
私の知らない、見た事も無い顔で。
心の内を、久しぶりに語ってくれた彼が。
梨央
梨央
周りより弱い俺でもさ、
やっぱり頼られたいって思うよ
ワガママばっかでごめんね、と笑うから。
凛
.......そんな事ない
そっと頭を撫でて、同じ目線で微笑む。
凛
格好良いこと言うようになったね笑
...すると。彼の目に映る私が、急にぼやけた。
凛
えっ、梨央?どうしたの?具合悪い?
その頬を滑り落ちて行く涙を見て、慌てて声を掛けるけど。
梨央
梨央
違う。褒めてくれたの、嬉しくて...
凛
泣き虫なのは変わらないんだね笑
下手くそな泣き笑いを見て居る内に、
何だか、私の涙腺まで緩んでしまって。
凛
.....迎えに来てくれてっ、ありがとう...
だだっ広い空港の、搭乗口の隅で。
梨央
梨央
...うん。どういたしましてw
子供みたいに、顔を見合わせて泣いた。
.........................。
とりあえず学校に戻ろう、と言う事になって。
今は、電車の中。
梨央
梨央
多分みんなから質問攻めに会うと思うけど。
そこは自業自得だからね?
凛
..............うっ、はい...
規則正しい揺れが、若干の眠気を運んで来た頃。
梨央
梨央
ほら、着いたよ。行こう
凛
(もう一度この場所に来る事になるなんて)
電車が学校の最寄り駅に到着して、
不思議な気持ちになりながらホームに降り立つ。
...が、そこから先の足が進まない。
梨央
梨央
...なんか凛ちゃん緊張してる?
そんな私の様子を見兼ねてか。
凛
うん。...その...また皆と仲良く出来るかなって
梨央
梨央
そんな事心配してたの!
大丈夫、みんな凛ちゃんの事大好きだからw
ポン、と梨央の手の平が私の背中を叩く。
凛
それは言い過ぎじゃ...
心からの本心の笑顔は、私の不安を消し去ってくれて。
凛
...ありがとう
本当に良い幼馴染を持ったと、つくづく思いながら。
先を行く背中を、追いかけた。

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