第39話

第38話
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2021/06/04 11:26
__翌日。
晴れて"恋人"と言う関係に昇格した私達。
手を繋いで登校して居た所を、
早くも同級生に目撃されて居たようで。
その事実を知ったクラスメイトの反応は、様々だった。
クラスメイト
クラスメイト
えっ、2人付き合い出したの!?
全力で驚く人。
クラスメイト
クラスメイト
やっとかよ…ww
焦れったかったな…w
梨央
梨央
…そんなこと思ってたのw
驚く事も無く、梨央の肩を叩く人。
モブ
モブ
話…聞かせてね?笑
…逃がさないよと言うように。
凛
…ハイ……
私の肩に手を乗せる人。
いつも話さない人にまで囲まれて。
何だか気疲れしてしまった、放課後。
ある人との約束がある私は、校門前で梨央に手を振る。
凛
…じゃあ、ごめん梨央。先に帰っててね
梨央
梨央
……なるっべく早くね?
不満そうな顔をする彼の言葉に。
凛
了解!笑
笑って、敬礼して見せた。
______。
学校から程近い公園で、待つ事数分。
待ち人は、直ぐに現れた。
聡海
聡海
ごめんっ、遅れた…HR長引いてさ…
肩で息をして居る様子を見ると、
相当急いで来てくれたのが分かって。
慌ててベンチから立ち上がり、頭を下げる。
凛
いえっ、こちらこそ!
昨日の今日でお呼び立てしてしまって…
本当にすみません
あんなに急に先輩を置いて帰ったのだから。
聡海
聡海
大丈夫だから。
そんなに謝らないで良いんだよ
凛
……ありがとうございます
ちゃんと、自分の口から話すのが筋だろう。
そう思って先輩を呼び出した物の、
いざとなると何だか緊張してしまって。
唇を噛んだ、その時。
先輩は、私に助け舟を出してくれた。
聡海
聡海
……香寺ちゃん
凛
えっ、あ、はい!
私が上手く話せない状態である事を察して。
すっかり見慣れた笑顔で、こう言ったのだ。
聡海
聡海
アイス、買いに行かない?
ちょっと食べたくなっちゃってw
きっと、本当にアイスが食べたかった訳じゃ無く。
凛
………はい、行きましょうか笑
私が心の準備をする時間を、稼いでくれたんだと思う。
聡海
聡海
よっしゃ、何にしようかな…
凛
…私も悩みます…
そんな恩着せがましさの欠片も無い優しさが、身に染みた。
_____。
各々好きなアイスを持って、再び公園に戻る。
凛
あの…本当に奢って頂いて良いんですか?
ただし、私は一銭も使って居ない。
レジに持って行こうとした私のアイスも、
先輩がまとめてお会計してくれてしまったから。
聡海
聡海
香寺ちゃんは後輩なんだから。
こーいう時は先輩に甘えときなさいw
凛
うっ、はい…
口調から優しさが滲み出ている先輩の言葉に頷いて。
シャク、と夏らしい音を立てて。アイスを齧ると。
凛
〜っ、美味しい…!
口に広がって行く甘みに、顔が綻ぶ。
そんな私の顔を見て。先輩はまた、"あの顔"をした。
聡海
聡海
……やっと笑った
優し過ぎて心配になる、この人は。
凛
え?
その胸の中に。
聡海
聡海
香寺ちゃんの笑顔、ずっとぎこちなかったから
……どんな想いを隠しているのだろうか。

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