第27話

第26話
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2020/10/14 15:00
最初から最後まで、接戦を繰り広げた体育祭。
激しい攻防の末、見事勝利を収めた私たち赤組メンバーは。
クラスメイト達
打ち上げ、どうするー?
クラスメイト達
あそこは?学校の近くのファミレス
揃いも揃って、大人数で打ち上げへと向かって居た。
クラスメイトの話に耳を傾けながら、
スマホの通知を確認すると。
凛
.......(...不在着信?)
体育祭の昼休憩が終わった頃に掛かって来て居た着信。
その着信元は...今もロサンゼルスで暮らす、母の携帯だ。
凛
(えっと.....今は16時だから...
向こうは0時か。もう寝てるだろうな...)
日本とロサンゼルスの時差は、
今はサマータイム中なので、16時間。
サマータイムは、日の出が早く、
昼間の時間が長い時期の日光を有効活用する為、
国の標準時刻を早める制度の事だ。
しかも、サマータイムの時期は決まって居て。
凛
(これが...すっごく
ややこしいんだよね...笑)
3月の第2日曜日から11月の第1日曜日までが、
ロサンゼルスのサマータイム。
各地点で違うから、私も覚えるのに時間を掛けた物だった。
凛
(んー.........明日の...
6時くらいに掛けようかな。
ロスは14時だもん、大丈夫だよね)
自分が日本に帰って来たばかりの頃の
時差ボケを思い出して、苦笑すると。
少し離れた所で、梨央が私に向かって呼び掛ける。
梨央
梨央
凛ちゃーーん!
みんなファミレス入っちゃったよー?
どうやら考え事に、のめり込み過ぎて居たようで。
彼の周りに、先程まで騒いで居たクラスメイトの姿は無い。
凛
ごめんっ、待っててくれてありがと!
きっと待ってるもんね。行こっか笑
急いで駆け寄りながら、ふと空を仰ぐ。
凛
(急に電話して来るなんて、
どうしたんだろ...)
正直この電話に、良い予感はして居ないが。
梨央
梨央
もー、待ちくたびれた...
今は、打ち上げだ。
凛
何か奢るから。ね!
まだ文句を言い続ける梨央を、笑顔で宥め。
グイグイと背中を押して、皆の待つ席に向かう。
クラスメイト達
あっ!!紅橋と香寺さん、やっと来た!
クラスメイト達
俺たち何頼むか決めちゃったよw
私達が来ると、クラスメイトは一斉に声を上げて。
凛
ごめんね...お待たせしました...!!
梨央
梨央
俺達も早めに決めるから
もうちょい待って欲しい...
謝罪しつつ、空けてもらった席に2人で座ると。
モブ
モブ
.......2人で何話してたんだろうね
モブ
モブ
それな?超怪しいんだけど。
ボソッと隣から聞こえた陰口。
凛
(...また何か言われてる.......)
全員と仲良くしたいと言う私の願いは。
到底、叶いそうもなかった。

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