第26話

第25話 聡海side
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2021/07/11 09:12
先程の出来事は、彼女の心に少しでも。
梨央
梨央
...........凛ちゃん行くよ
思い出として、残ったのだろうか。
凛
えっ、、今、桃谷先輩と話してるんだけど...
梨央
梨央
いーから。俺の事、労って欲しいの!
凛
わわっ、歩くから...!!
何処からとも無く現れた紅橋に、
香寺ちゃんは連れて行かれてしまった。
聡海
聡海
(名前呼びにして良いんだよって
言いそびれたなぁ.......)
お題の内容も話して無いし、
1位の結果だって十分に喜びを分け合って無い。
聡海
聡海
(変な所で梨央は行動が早いからなぁ)
大好きな幼馴染の事となれば、
彼も普段とは違う性格になるのだろう。
それは、俺にも当てはまって居て。
激しく共感できた。
聡海
聡海
...........................
_ペラリ。
未だ手の中にある、回収され忘れたお題用紙を再び開く。
聡海
聡海
(『気になる後輩』.....か) 
もう、『気になる』と言う言葉では足りない位。
俺は、彼女に惹かれて居て。
嫌いです、なんて言われたら。
丸1週間くらい、余裕で寝込める自信がある。
聡海
聡海
(まあ、今は...その時じゃ無いんだけど)
しつこいアタック上等。
少しでも俺を見てくれるなら、それだけで大きな進歩。
聡海
聡海
(.......あ、やっぱり遠くには行ってなかった)
香寺ちゃん!!!
俺の、初めての"追い掛ける恋"は。
凛
.......桃谷先輩!?
わざわざ追い掛けて来て下さったんですか...!
梨央
梨央
.........げっ、邪魔しに来られた...
聡海
聡海
んー、話し足りなくてさ。来ちゃったw
まだ、始まったばかり...と言いたい所だけど。
この恋を実らせる上で壁になる物が、俺には2つある。
____1つは、言わなくても分かるだろう。
梨央
梨央
..........."聡海くん"は3年生の方に戻ったら!
聡海
聡海
"梨央"こそ。
ハチマキ借りた人に返しに行けば?
お互い名前呼び、タメ口で話す事を許して居る相手で、
最大の恋敵と言っても過言では無い奴。
その上、彼女の幼馴染なのだから。不利な点しか無い。
___そして、2つ目。
俺の学年と、残された高校生活の短さだ。
聡海
聡海
(出会ってから...もう3ヶ月か)
彼女と初めて話したのが4月の始業式の日で、
今は夏真っ盛りの7月中旬。
卒業が来年の3月だと考えると...残りはあと8ヶ月。
聡海
聡海
(これは...のんびりして居られないな)
しかも夏休みに入れば予備校も始まるから、
遊べる日は限られて居る。
でも、それでも。好きなのだ。
聡海
聡海
(幸い...状況が悪ければ悪い程
燃えるタイプだからな)
恋、勉強。
どちらの闘志も新たに。
そっと、目を細めた。

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