☆夕燈side☆
~陰陽師の活動圏内~
俺は今椿莎と一緒に陰陽師の奴らの活動圏内に来ている。
少し危険かもしれんが、情報収集は大事だからな。
よっと……辺りを見てきたけど、陰陽師はいなかったよ。〈空から舞い降り、翼をしまう。〉
そうか。ありがとう、椿莎。
い~え。礼には及ばないよ。夕燈様の為だからね。〈小さく笑う。〉
でも、ありがとう。
ん、どういたしまして。
_____________________
俺と椿莎が少し辺りを見渡していると、遠くから誰かの声が聞こえてきた。
ん~……今日もいい天気やわぁ。
!
!
ん……(あれは……間違いない、父さんと母さんを殺した陰陽師の一族じゃないか………)
ん~~?かくれんぼしてるん?何もしないから、出ておいで、妖怪さん。〈ニコニコしている。〉
!?(流石、高名な陰陽師だけあるな……)
!?
俺と椿莎は大人しく言う事を聞く事にした。
………………
……………
ん~と、神狐さんと烏天狗さんやろか?二人共、顔立ち、綺麗やなぁ~。羨ましいわぁ♪〈ニコニコしている。〉
…………
……………
そないな怖い顔せんでや。綺麗な顔が台無しやで?それにうちは何もせえへんし。〈ニコニコしている。〉
……………
…………
うちの一族は星読みの一族でな、攻撃の力はあるけど、一般的な陰陽師の一族と比べるとちょっと劣るんよ。それに、うちは純粋な妖怪は祓わない事にしてるから、大丈夫や。
そう……か……
それに、神狐のおにーさんはうちの事、憎くて、憎くてしゃ〜ないんやろ?
!
そりゃそうやろな。直接、手を下したんはうちやないけど、おにーさんのおとんとおかんを殺してしまったのはうちの一族の奴やし。〈ニコニコしている。〉
………なんで、そんなにお前は笑ってられるんだ……?〈伏せ目がちに尋ねる。〉
ん?あぁ……うちは、喜楽の感情が強いんよ。怒哀の感情もあるんやけどな、喜楽のが強いから、いつも笑ってしまうんよなぁ。気ぃ悪くしたらごめんな?
そうか……お前も大変だな。
まぁな。いつも笑ってしまうから、周りから変な目で見られてまうんよ。ま、もう慣れっこやけど。でも、心配してくれてありがとうなぁ。〈ニコニコしている。〉
別に………
あ、話は変わるけど……うち、あんさんに殺される覚悟は出来てるんよ。
!?
でもな、まだ待ってて欲しいんよ。うちの主が陰陽師協会のトップになるまで。
!
大丈夫。妖怪のあんさんにとってはほんの一瞬やし。
そう……だな……妖怪は長命だが、神狐はもっと長命だから、一瞬に近いかもな。
……今日はあんさんに会えて、言葉を交わせて良かったわぁ。んじゃ、うちは帰ろかな。
あ、そうそう。うちは純粋な妖怪は祓わんけど、うち以外の陰陽師はそんな事気にしないで祓おうとしてくるから、おにーさん達も早く帰った方がええよ?〈ニコニコしながら、立ち去る。〉
…………ご忠告、どうも。
なぁ、椿莎。
ん?
俺のやろうとしている事は正解なんだろうか……
………
分からない………よな。
………
変な事聞いてごめん。
………夕燈様……
じゃ、俺は先に帰るから。血陣……〈自身の腕を軽くナイフで切り、血を出し、地面に垂らしてワープする。〉
※血陣は血の量によってワープ出来る人数が変わり、多ければ多い程、ワープ出来る人数が増える。
夕燈様っ!待ってよ!〈慌てて翼を出して、飛び立ち、夕燈の後を追う。〉
_____________________
~月影邸・夕燈の部屋~
俺は自分の部屋に戻ってきて、ベッドに倒れ込んだ。
はぁ……俺のやろうとしている事は正解なんだろうか……
最初は復讐したい一心だったのに……今は分からない。
父さん、母さん。俺はどうしたらいいんだろう……教えてくれないだろうか……
俺はそんな事を考えているうちに寝てしまった。
☆つづく☆
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