第15話

#14
34
2020/07/21 10:40
☆夕燈side☆

~陰陽師の活動圏内~

俺は今椿莎と一緒に陰陽師の奴らの活動圏内に来ている。

少し危険かもしれんが、情報収集は大事だからな。
椿莎
椿莎
よっと……辺りを見てきたけど、陰陽師はいなかったよ。〈空から舞い降り、翼をしまう。〉
夕燈
夕燈
そうか。ありがとう、椿莎。
椿莎
椿莎
い~え。礼には及ばないよ。夕燈様の為だからね。〈小さく笑う。〉
夕燈
夕燈
でも、ありがとう。
椿莎
椿莎
ん、どういたしまして。
_____________________

俺と椿莎が少し辺りを見渡していると、遠くから誰かの声が聞こえてきた。
天ヶ瀬 月雫
天ヶ瀬 月雫
ん~……今日もいい天気やわぁ。
夕燈
夕燈
椿莎
椿莎
夕燈
夕燈
ん……(あれは……間違いない、父さんと母さんを殺した陰陽師の一族じゃないか………)
天ヶ瀬 月雫
天ヶ瀬 月雫
ん~~?かくれんぼしてるん?何もしないから、出ておいで、妖怪さん。〈ニコニコしている。〉
夕燈
夕燈
!?(流石、高名な陰陽師だけあるな……)
椿莎
椿莎
!?
俺と椿莎は大人しく言う事を聞く事にした。
夕燈
夕燈
………………
椿莎
椿莎
……………
天ヶ瀬 月雫
天ヶ瀬 月雫
ん~と、神狐さんと烏天狗さんやろか?二人共、顔立ち、綺麗やなぁ~。羨ましいわぁ♪〈ニコニコしている。〉
夕燈
夕燈
…………
椿莎
椿莎
……………
天ヶ瀬 月雫
天ヶ瀬 月雫
そないな怖い顔せんでや。綺麗な顔が台無しやで?それにうちは何もせえへんし。〈ニコニコしている。〉
夕燈
夕燈
……………
椿莎
椿莎
…………
天ヶ瀬 月雫
天ヶ瀬 月雫
うちの一族は星読みの一族でな、攻撃の力はあるけど、一般的な陰陽師の一族と比べるとちょっと劣るんよ。それに、うちは純粋な妖怪は祓わない事にしてるから、大丈夫や。
夕燈
夕燈
そう……か……
天ヶ瀬 月雫
天ヶ瀬 月雫
それに、神狐のおにーさんはうちの事、憎くて、憎くてしゃ〜ないんやろ?
夕燈
夕燈
天ヶ瀬 月雫
天ヶ瀬 月雫
そりゃそうやろな。直接、手を下したんはうちやないけど、おにーさんのおとんとおかんを殺してしまったのはうちの一族の奴やし。〈ニコニコしている。〉
夕燈
夕燈
………なんで、そんなにお前は笑ってられるんだ……?〈伏せ目がちに尋ねる。〉
天ヶ瀬 月雫
天ヶ瀬 月雫
ん?あぁ……うちは、喜楽きらくの感情が強いんよ。怒哀どあいの感情もあるんやけどな、喜楽のが強いから、いつも笑ってしまうんよなぁ。気ぃ悪くしたらごめんな?
夕燈
夕燈
そうか……お前も大変だな。
天ヶ瀬 月雫
天ヶ瀬 月雫
まぁな。いつも笑ってしまうから、周りから変な目で見られてまうんよ。ま、もう慣れっこやけど。でも、心配してくれてありがとうなぁ。〈ニコニコしている。〉
夕燈
夕燈
別に………
天ヶ瀬 月雫
天ヶ瀬 月雫
あ、話は変わるけど……うち、あんさんに殺される覚悟は出来てるんよ。
夕燈
夕燈
!?
天ヶ瀬 月雫
天ヶ瀬 月雫
でもな、まだ待ってて欲しいんよ。うちの主が陰陽師協会のトップになるまで。
夕燈
夕燈
天ヶ瀬 月雫
天ヶ瀬 月雫
大丈夫。妖怪のあんさんにとってはほんの一瞬やし。
夕燈
夕燈
そう……だな……妖怪は長命だが、神狐はもっと長命だから、一瞬に近いかもな。
天ヶ瀬 月雫
天ヶ瀬 月雫
……今日はあんさんに会えて、言葉を交わせて良かったわぁ。んじゃ、うちは帰ろかな。
天ヶ瀬 月雫
天ヶ瀬 月雫
あ、そうそう。うちは純粋な妖怪は祓わんけど、うち以外の陰陽師はそんな事気にしないで祓おうとしてくるから、おにーさん達も早く帰った方がええよ?〈ニコニコしながら、立ち去る。〉
椿莎
椿莎
…………ご忠告、どうも。
夕燈
夕燈
なぁ、椿莎。
椿莎
椿莎
ん?
夕燈
夕燈
俺のやろうとしている事は正解なんだろうか……
椿莎
椿莎
………
夕燈
夕燈
分からない………よな。
椿莎
椿莎
………
夕燈
夕燈
変な事聞いてごめん。
椿莎
椿莎
………夕燈様……
夕燈
夕燈
じゃ、俺は先に帰るから。血陣……〈自身の腕を軽くナイフで切り、血を出し、地面に垂らしてワープする。〉
※血陣は血の量によってワープ出来る人数が変わり、多ければ多い程、ワープ出来る人数が増える。
椿莎
椿莎
夕燈様っ!待ってよ!〈慌てて翼を出して、飛び立ち、夕燈の後を追う。〉
_____________________

~月影邸・夕燈の部屋~

俺は自分の部屋に戻ってきて、ベッドに倒れ込んだ。
夕燈
夕燈
はぁ……俺のやろうとしている事は正解なんだろうか……
夕燈
夕燈
最初は復讐したい一心だったのに……今は分からない。
夕燈
夕燈
父さん、母さん。俺はどうしたらいいんだろう……教えてくれないだろうか……
俺はそんな事を考えているうちに寝てしまった。

☆つづく☆

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