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第21話

#18
31
2020/09/22 05:15
☆椿莎side☆

翠遥が来た次の日……

~月影邸・リビング~

俺達がリビングに来るとそこには朝ごはんを食べているすーが居た。
翠遥
翠遥
此処のご飯はとっても美味しいっスね~♪〈ご飯を食べている。〉
夕燈
夕燈
翠遥……なんでまだ居るんだ?
俺達の疑問を夕燈様が聞いた。
翠遥
翠遥
あ、夕燈様!いや~……昨日は夜遅かったんで、泊まったんス!
夕燈
夕燈
そうか……
雪乃
雪乃
百歩譲って泊まったのはいいですけど、なんでご飯食べてるんですか!?
翠遥
翠遥
いや~……お腹が空いてて……つい。
雪乃
雪乃
………
翠遥
翠遥
雪ちゃんは相変わらず、料理上手っスね~♪
雪乃
雪乃
………
能天気でマイペースなすーを見ているうちにゆっきーは怒りそうだったが、間にせっちゃんが入ったので、ゆっきーは落ち着いてきた。
せつな
せつな
まぁまぁ、ゆきのん、すばるんとも仲良くしよ?
雪乃
雪乃
……そうですね……
せつな
せつな
そうそう♪みんな仲良くだよ!〈ニコニコしている。〉
翠遥
翠遥
とふぉろふぇ、ふぃひさま。おふぁなしがあるんふえど、いいっふか?(訳:ところで、夕燈様。お話があるんスけど、いいっスか?)
夕燈
夕燈
………話なら聞いてやるから、飲み込んでから話せ。〈呆れている。〉
翠遥
翠遥
ふぁいっス!
翠遥
翠遥
んと、お話って言うのは……俺も月影邸で暮らしたいんスけど、いいっスか?
夕燈
夕燈
いきなりだな……まぁ、みんなが反対しないならいいぞ。
翠遥
翠遥
ホントっスか!?
夕燈
夕燈
あぁ。
夕燈
夕燈
で、皆はどう思う?
せつな
せつな
ん~……此処にはいっぱい妖怪の皆が暮らしてるからね。今更1人や2人増えてもあたしは気にしないし、大歓迎だよ♪〈ニコニコしている。〉
朝姫
朝姫
賑やかなのはいい事ですし、私も賛成です♪〈にっこりと笑う。〉
椿莎
椿莎
右に同じく。
雪乃
雪乃
……………皆様が反対しないのなら、私も反対しません。
夕燈
夕燈
だ、そうだ。これからよろしくな、翠遥。
翠遥
翠遥
はいっス!
こうして、すーは此処で暮らす事になった。問題とか起こさないと良いけど……

しばらくして……

俺が見回りに行こうとしたら、すーが寄って来る。
翠遥
翠遥
つー君!何処行くんスか?
椿莎
椿莎
ん?すーか。あぁ、見回りだよ。
翠遥
翠遥
見回り……俺も一緒に行ってもいいっスか?
椿莎
椿莎
え?んまぁ、別に良いけど……
翠遥
翠遥
ゴーゴー!〈椿莎の腕を掴み、駆け出す。〉
椿莎
椿莎
引っ張んないでよ……〈大人しく着いていく。〉
~妖怪の街~

街に着いた俺達は見回りをしたあと、少し休憩がてらカフェに入った。

~カフェ~
椿莎
椿莎
♪~~〈嬉しそうにいちごパフェを食べている。〉
翠遥
翠遥
つー君は甘い物、好きなんスか?
椿莎
椿莎
うん、好きだけど。
翠遥
翠遥
そうなんスね。俺も甘い物、好きっス♪
椿莎
椿莎
そっか。
翠遥
翠遥
ところで、つー君。
椿莎
椿莎
ん?何?〈紅茶を飲んでいる。〉
翠遥
翠遥
つー君は誰かに告白した事あるっスか?
椿莎
椿莎
ぶ~~~~っ!
俺はいきなりの質問に飲んでいた紅茶を吹いた。
椿莎
椿莎
ゴホッゴホッ……ケホッ、ふぅ……やっと落ち着いた……で、なんでそんな事聞いたの?
翠遥
翠遥
あ~……えっと……
椿莎
椿莎
ん?
翠遥
翠遥
俺、実は雪ちゃんに告白した事があるんス。
椿莎
椿莎
え”!?ゆっきーに?
翠遥
翠遥
はいっス。
椿莎
椿莎
……………それで返事は?
翠遥
翠遥
えっと、“ごめん”と一言言われて逃げられちゃって……やっぱり、迷惑だったんスかね?
椿莎
椿莎
………俺が言ってもあんま意味無いけど、ゆっきーは理由もなく断わる子じゃないよ。
椿莎
椿莎
それに、あの子は考え抜いて、考え抜いた末、やっと答えが見つけられる子だからさ。良かったら、待ってあげてよ。
翠遥
翠遥
!………はいっス。やっぱり、つー君は優しいっスね!〈にっこりと笑う。〉
椿莎
椿莎
そ?
翠遥
翠遥
はいっス。
椿莎
椿莎
……………じゃ、会計済ませてくるから。〈少し顔を赤らめ、会計に向かう。〉
俺は恥ずかしくなって、誤魔化すように会計に向かった。
翠遥
翠遥
あっ!待って下さいっス~!
しばらくして……

~妖怪の街~
椿莎
椿莎
さて、見回り再開するかなぁ……
翠遥
翠遥
つー君、つー君!
椿莎
椿莎
ん?
翠遥
翠遥
さっきは色々ありがとうございましたっ!
椿莎
椿莎
え……いいよ。お礼とか……俺、何もしてないし。
翠遥
翠遥
おぉ~……(これが大人の余裕……俺も見習いたいっス!)〈キラキラした目で椿莎を見ている。〉
椿莎
椿莎
…………(なんかものすごい勘違いされてる気がするんだけど……)
椿莎
椿莎
………そんなキラキラした目で見ないでよ。恥ずかしいから……
翠遥
翠遥
あ!つー君の事、“兄貴”って呼んでいいっスか!?←人の話聞いてない
椿莎
椿莎
人の話聞いて。〈呆れている。〉
椿莎
椿莎
え!?それはやめて欲しいんだけど……
翠遥
翠遥
え!?なんでっスか?
椿莎
椿莎
だって……すーの方が実年齢も見た目年齢も上だし……(椿莎→実年齢:230、見た目年齢:16 翠遥→実年齢:440、見た目年齢:23)
椿莎
椿莎
年上の人にそんな呼び方されたら俺、もたないから。色々と。〈呆れたような、困ったような表情をしている。〉
翠遥
翠遥
なら仕方ないっスねぇ~……〈残念そうにしている。〉
椿莎
椿莎
…………(諦めてくれて良かった……)
翠遥
翠遥
つー君、つー君!次は何処に行くんスか?
椿莎
椿莎
ん~……森とか湖とかかなぁ……月影邸の周りにある場所は見回りしないとだからな。普段は空飛んで見回るんだけど、すーは俺みたいに飛べないから、今日は歩きだな。
翠遥
翠遥
了解っス!って……やっぱり、迷惑だったっスよね……
椿莎
椿莎
ん?今日はいつもと違う事出来て楽しかったから、気にしないで?〈小さく笑う。〉
翠遥
翠遥
つー君……!〈嬉しそうに目をキラキラさせて椿莎を見ている。〉
椿莎
椿莎
だからそんな目で見ないでよ……〈恥ずかしそうに顔をそむける。〉
翠遥
翠遥
つー君!大好きっス~☆〈ニコニコしながら、椿莎に抱きつく。〉
椿莎
椿莎
うあっ!?いきなり抱きつかない!ほら、行くよ!〈翠遥を引き剥がし、スタスタと歩いていく。〉
翠遥
翠遥
あ~!つー君、待ってっス~!〈慌てて追いかける。〉
俺は他の妖怪に慕われる事なんてあんまりないから、すーの距離感とか性格とかにはびっくりするし、なんだか恥ずかしい……

俺よりも年上なのに……変な人だよな……

俺とすーは見回りを終えて月影邸に戻った。ホント、大変だったけど、楽しかったな。

…………毎回一緒はキツいし、一緒に見回りすんのはたまにで良いけど……

☆つづく☆

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