☆夕燈side☆
~月影邸・リビング~
俺の名前は夕燈。種族は神狐で、妖怪陣営、月影を纏める主だ。
神狐の一族は代々、妖怪達の頂点に立って纏めあげてきた種族で、100年くらい前に俺が叔父さんから主の座を継いだんだ。
まぁ、個人的に主の座を継ぐのは妹の朝姫が良かったんじゃないかなって思うんだが。
朝姫は俺よりも妖力が高いし、質も良いし、何より皆から愛されているし……“主”としての器もあるしな。
それでも俺は長男だから、跡を継がなければいけなかった。俺には似合わないし、俺の理想は主は朝姫で、俺は朝姫をサポートする側近か秘書で良かったんだ。
でも、現実はその逆。はぁ……現実って甘くないよな。俺は相応しくないと思うけど、叔父さんだけでない、父さんと母さんの願いなら途中で投げ出す訳にはいかない。
最後まで、精一杯やり遂げるしかない。それにしても、あいつの一族の情報はなかなか掴めない。
しかも、主の仕事もあるから今日で何日目の徹夜だろうか。やばい……頭が回らない。
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俺とせつながそんなやり取りをしていると朝姫と椿莎がやって来た。
しばらくして……
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俺は朝ごはんを食べ終えて、中庭の訓練所に来た。
天狐雨・焔は敵の頭上に炎の雨を降らせる技です。
天狐雨・時雨は焔の氷バージョンです。
宵闇時雨・斬は刃のように鋭くした自身の羽をいくつも相手に向けて放つ技です。
しばらくして……
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俺と椿莎の模擬戦は引き分けで終わった。
すると、朝姫がティーセットを持ってやって来る。
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この後、俺達はリビングに戻り、お茶をした。こんな平和が続くように頑張らないとな。
☆つづく☆
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。