第5話

#04
59
2020/06/23 06:52
☆椿莎side☆

数日後……

~月影邸・リビング~
椿莎
椿莎
ふぁ……ねむ……
んあ、多分、初めましてだよね?俺は椿莎つばさ。烏天狗の一族で、一応、長男。

俺がリビングに来ると、姫が居た。
朝姫
朝姫
………………
姫はなんか悩んでたみたいで、元気がないようだった。
椿莎
椿莎
姫、どうかしたの?
朝姫
朝姫
あ、椿莎君。なんでもないですよ?
椿莎
椿莎
…………そう?ならいいけど。あ、姫。
朝姫
朝姫
はい?なんでしょうか?
椿莎
椿莎
今夜空いてる?連れてきたい場所があるんだけど。
朝姫
朝姫
いいですけど……どこに行くんですか?
椿莎
椿莎
それは着いてからのお楽しみ。
俺達の会話を聞いてたみたいで、せっちゃんが話しかけてきた。

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せつな
せつな
なになに~?つー君、姫ちゃんとデートぉ?
椿莎
椿莎
違うし。ただ単に見せたいもんがあるだけ。それに、俺なんかじゃ、姫に釣り合わないだろ。〈呆れた顔で話す。〉
せつな
せつな
そっかぁ。まぁ、姫ちゃん、あの・・夕燈っちの妹君だものね。
椿莎
椿莎
そうそう。一般妖怪の俺じゃ釣り合わないっつーの。
朝姫
朝姫
あ……あの……
せつな
せつな
あ、そういえば姫ちゃんいたんだった。
椿莎
椿莎
失礼だろ。
せつな
せつな
あはは~。ごめんね?姫ちゃん。
朝姫
朝姫
私は気にしてませんから、平気ですよ?〈にっこりと笑う。〉
せつな
せつな
そっか。良かったぁ。〈ニコニコしている。〉
椿莎
椿莎
んじゃ、夜にまた迎えに来るね。
朝姫
朝姫
はい、分かりました。
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俺は姫にそう告げると、屋敷を出る。

数時間後………

俺が用事を済ませ、屋敷に帰って来ると、あたりはすっかり夜だった。

~月影邸・リビング~
椿莎
椿莎
姫、お待たせ。
朝姫
朝姫
椿莎君。
椿莎
椿莎
んじゃ、行こっか。
朝姫
朝姫
はい。
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~星降りの山~
椿莎
椿莎
着いたよ。
朝姫
朝姫
わぁ……綺麗……
椿莎
椿莎
喜んでもらえたみたいで良かったよ。姫、星見るの好きでしょ?だから見て欲しくてさ。
朝姫
朝姫
はい、とっても嬉しいです。でも、どうして此処に?
椿莎
椿莎
…………なんか姫、落ち込んでたみたいだからさ、この星空見たら元気出るかな~って。
朝姫
朝姫
椿莎君……ありがとうございます。〈にっこりと笑う。〉
椿莎
椿莎
どういたしまして。〈小さく笑う。〉
朝姫
朝姫
でも、良くこんな所、見つけられましたね?
椿莎
椿莎
この前空中散歩してたらみつけたんだよね。だから、姫とか屋敷の人達と来れたらいいな~って。
朝姫
朝姫
なるほど。
椿莎
椿莎
ん。
朝姫
朝姫
今度はお兄様達とみんなで来たいですね♪〈ニコニコしている。〉
椿莎
椿莎
だね。〈小さく笑う。〉
姫が元気になったみたいで良かった。姫は皆に愛されるし、元気ないと皆心配しちゃうからね。

やっぱり、姫には笑顔が1番似合う。

俺と姫がしばらく星空を見ていると、急に嫌な気配がした。

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椿莎
椿莎
ん………(なんか嫌な感じ……)
陰陽師1
妖怪!ここで何をしているっ!
椿莎
椿莎
何って、星見てただけだけど。
陰陽師1
嘘をつくなっ!
椿莎
椿莎
嘘じゃないんだけど。
陰陽師1
嘘をつき続けるか……ならば、祓ってくれるわっ!〈クナイを投げつける。〉
椿莎
椿莎
はぁ……いきなり攻撃とか……やめてよね。こっちには大切な人がいるんだから。〈呆れながら翼を出す。〉
椿莎
椿莎
宵闇時雨・碧よいやみしぐれ へき〈クナイを弾く。〉
※宵闇時雨・碧は固くした自身の羽を幾つも前方に飛ばして盾を作る技です。
陰陽師1
なっ……お前……烏天狗か?
椿莎
椿莎
そ~だよ。名前は教えないけど。姫、ちょっと失礼するね。〈朝姫に近寄り、朝姫をお姫様抱っこする。〉
朝姫
朝姫
えっ?
陰陽師1
逃げるのか!?
椿莎
椿莎
………怪我したくないのはお互い様でしょ。それに、あんたみたいなへっぽこな下っ端に祓われる程俺、弱くないから。
陰陽師1
誰がへっぽこな下っ端か!
椿莎
椿莎
あんた以外に人間、居ないんだから、あんただよ。小物感が否めないし。〈呆れている。〉
陰陽師1
なっ……覚悟しろっ!〈再びクナイを投げつける。〉
椿莎
椿莎
よっと……敵の挑発に直ぐにのる所とか、まさに小物だし。〈空に飛び上がり、クナイを避ける。〉
椿莎
椿莎
宵闇時雨・そう
※宵闇時雨・颯は自身の羽をいくつも相手に向けて放ち、目くらましをする技です。椿莎は主に敵から逃げる時に使います。
陰陽師1
あ……あれ?消えた……はぁ……また取り逃してしまった……御館様に怒られる……
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~星降りの森の上空~
椿莎
椿莎
ふぅ……逃げきれたかな。姫、平気?
朝姫
朝姫
は……はい……平気です……〈少し震え、不安そうにしている。〉
椿莎
椿莎
………(そう言えば……姫は高いとこ怖いんだっけ。)
椿莎
椿莎
姫、あともう少しだから、我慢して?
朝姫
朝姫
は……はい。
_____________________

しばらくして……

~月影邸・リビング~
椿莎
椿莎
ただいま。
朝姫
朝姫
ただいま戻りました。
せつな
せつな
おかえり~♪つー君、姫ちゃん。〈ニコニコしている。〉
せつな
せつな
思ったより早かったね?
椿莎
椿莎
ん~……陰陽師に襲われてさ~……急いで帰って来たんだよ。もう少し星空見たかったのに。ほんと、空気読めないんだから。
夕燈
夕燈
何っ!?今の話は本当か!?〈びっくりしたような怒ったような表情を浮かべている。〉
椿莎
椿莎
あ、夕燈様。うん、本当だよ。
夕燈
夕燈
陰陽師はどんな奴だった?〈真剣な顔をしている。〉
椿莎
椿莎
え?ん~……20代前半で、頬に星のタトゥーがある男だったよ。(夕燈様……仇の一族を早く見つけたいんだろうな……)
夕燈
夕燈
………そうか。(アイツの一族に所属している奴じゃなかったのか。)〈少し残念そうにしている。〉
椿莎
椿莎
あ、夕燈様、ごめんなさい。結果的に、姫を危険な目に合わせちゃって……〈すまなそうにしている。〉
夕燈
夕燈
いや……椿莎は朝姫を元気づけようとして散歩に連れ出したんだろ?それに、2人とも怪我してないからな。怒るわけない、寧ろむしろ感謝してるよ。〈小さく笑う。〉
椿莎
椿莎
なら良かった。あ、今度はみんなで夜空見に行こうよ。きっと、夕燈様も皆も気に入ると思う。〈にっこりと笑う。〉
夕燈
夕燈
あぁ。そうだな。〈小さく笑う。〉
せつな
せつな
おっけーだよ~。楽しみにしてるねぇ♪〈ニコニコしている。〉
雪乃
雪乃
お供致しますね。〈小さく笑う。〉
朝姫
朝姫
はい、今度は皆さんと一緒に行きたいです♪〈ニコニコしている。〉
椿莎
椿莎
ん、約束ね。
朝姫&雪乃
はい。
せつな
せつな
うん♪
夕燈
夕燈
あぁ。
_____________________

色々あったけど、まぁまぁ楽しい1日だったかな。

☆つづく☆

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