前の話
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椅子に座り、『ふんふん』と小さく鼻歌を歌っているフェリスに大きく手を振る。
こちらに気付いたフェリスは、満面の笑みで手を振り返してくれた。
喜んでいる証拠に、頭に付いているネコ耳がピョコピョコと動いている。
駆け寄って見ると、フェリスのその手には フォークが握られている。
そのフォークの用途を探すと、椅子の前にあるデザートのためだとわかった。
テーブルに置かれたリンガをジッと見つめ、
フェリスに無言の圧をかける。
口をヘの字にして、抗議しているようだった。
その抗議を無視し、私はフェリスの持っているフォークを取り上げて目の前のリンガにありつく。
悲しそうな目でリンガを見ながら、リンガを惜しそうに手を伸ばしている。
しかし、口は笑っていて、この状況を楽しんでいるようだった。
やっぱりリンガはとっても美味しいなぁ。と手をほっぺに添えながら、リンガをシャリシャリと言わせながら食べる。
明日にでも買いに行こうと考え、少しニヤニヤしながら話す。
そしてフェリスもまた、ニヤニヤしながらこちらを見つめてくる。
深く頷いて、聞いてほしそうにチラチラと視線を動かしている。
リンガより嬉しいこと が気になり、勢いよくその答えにがっつく。
フェリスは自分の唇を指でトントン、としながら、意地悪な目つきをしている。
首を少し傾げて、可愛い目で上目遣いをする。
その可愛らしい姿で誰しも勘違いする。私もその1人だ。
しかし、誰が勘違いしたとしても男の子は男の子。
男の子な一面を見ると、少しきゅんとしてしまうのは、絶対に話せない。











編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。