第20話

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2020/01/23 07:23
あなた

……ッ

あなた

お母…さん…?

ハッと目を覚ました時は


あたりはもう明るくなっていて


窓から日が差していた
冨岡 義勇
冨岡 義勇
目覚めたか
バッと横を見ると


椅子に座りこちらを見ていた


冨岡さんが居た
もしかして

ずっと付き添ってくれていたのだろうか。


目の下に

少しばかりクマができている
冨岡 義勇
冨岡 義勇
泣いていたようだが

なにか辛い夢でも見たのか
そういい


頬に流れている涙を



手で優しく拭ってくれて



自分が泣いていたことに気づく









一体どれほど泣いていたのだろうか


枕元が涙で濡れていた
あなた

すみません……


母の夢を見ていたからだと思います

冨岡 義勇
冨岡 義勇
気にするな
あなた

最後、
助けてくださって
ありがとうございました。

あなた

冨岡さんが
来てくださらなかったら
私はやられていました

本当にそうだ。


あの時冨岡さんが来てくれなかったら


確実に私は死んでいた。





あなた




呼吸は使えるのですが

結局なんの役にも立ててないんです。

下弦の鬼を倒せなきゃ

上弦の鬼なんて

ましてや鬼舞辻無惨なんて

倒せない。


自分では努力し鍛錬したつもりだったのですが


全然身になっていませんでした。

何故か


次々と出てくる言葉



それを黙って聞いてくれている


冨岡さん。


悔しさからか

またもや涙が止まらない。


いつからこんなに


泣き虫になってしまったのだろう。


あなた

私は

私の大事な家族を奪った鬼を
鬼舞辻無惨を……


絶対に殺したい……


なのに……

なのに…ッ!!!!!!

ずっと黙ったままの


冨岡さん。



こんなことばかり言ったから

呆れてしまったのだろうか
あなた

すみませ……

冨岡 義勇
冨岡 義勇
俺は
私が謝ろうとすると


遮るように冨岡さんが口を開け
冨岡 義勇
冨岡 義勇
俺はお前に助けられた。

情けないが
一瞬の隙を鬼に狙われた時
お前は俺を庇ってくれた
冨岡 義勇
冨岡 義勇
限界だったろう。
限界を越してでも
人を助けるため
お前は立ち上がった
私の方をみず

私の手元をじっとみなながら話す冨岡さん
冨岡 義勇
冨岡 義勇

弱音ばかり吐くな
お前は自分が思っているより
強くなっている。
そういい


慰めてくれた
冨岡 義勇
冨岡 義勇
元気が出ないのであれば
鮭大根一緒に食べるか
すごく真剣な顔で
そう言うもんだから

思わず笑ってしまって
あなた

鮭大根……ですか??

…ッフフ

冨岡 義勇
冨岡 義勇
なぜ笑っている
あなた

すみません……ッ

つい……ッ

冨岡 義勇
冨岡 義勇
笑いすぎだ
本気でなんで笑ってるか

分からないような顔をするから


それもまたおかしくて……
あなた

もう少し元気になったら

いただきますね……ッ

冨岡 義勇
冨岡 義勇
わかった。
用意しておく








《ドンッッッッ》






そんな会話を冨岡さんとしてると



部屋の外から大きな音が聞こえ
あなた

……なんの音でしょう。

するとガラッと扉が開き

胡蝶さんが入ってきた

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