なぜか
私の目の前には不死川さんがいて
何故か伏し目がちで
私をちらっと見ながら
そんなことを言う…
あまりも唐突な質問に
私は満面の笑みで返した
すると不死川さんも
ふにゃっと笑い
どうして
今こうなってるのかはわからないけど
幸せでたまらない
私は思いっきり不死川さんを抱きしめ
不死川さんの胸へ顔を埋める
すると
優しく私の背中へ腕を回してくれた
一定のリズムを刻み
私の背中を優しくポンポンっとしてくれ
なぜ泣いているのか
はっきりした理由らわからない
だけど涙が止まらない
そういい
そっと私を引き離し
目線を合わせるよう屈み
そういい
優しく
唇を重ねた
数秒のあいだ
私と不死川さんの唇が重なり
そっと不死川さんは私から離れ
そういうと
不死川さんは
哀しげに微笑み
私がいるところの反対側へ歩いていった
そう言っても
足を止めてくれない
.
どんどん不死川さんが
離れていく
どうして、
なんで…?
.
走っても走っても
追いつかなくて
.
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。