第29話

不死川side4
6,795
2020/01/26 15:13
不死川実弥
不死川実弥
ハァ…ッハァ
蝶屋敷につき

入る前に息を整える




呼吸を落ち着け

中へと入り

あいつがいる部屋へと向かう。

部屋に入りカーテンを開けると



寝ているあなたがいた。


あぁ…
気づくの遅くなっちまったから…

悪ぃことしたなァ…



俺はベッドの横にある


椅子に腰かけ

あなたの頭に手を乗せた



こんなちっせぇのに

体張って戦ってんだよなァ


自分の事なんざ二の次で…
不死川実弥
不死川実弥
遅くなってすまねェ
寝ているから聞こえてないだろうが



不死川実弥
不死川実弥
もう寝ちまったよなァ
寝ているあなたを見つめていると


なぜか


胸が苦しくなった。



優しく手を動かし

奴の頭を撫でる。
不死川実弥
不死川実弥
お前から
逢いに来て欲しいなんざ
言われると思ってなかったから
少しばかり驚いた
ポロポロと

何かがこぼれ落ちるよう

俺の口から

次々と言葉が溢れる
不死川実弥
不死川実弥
お前が鬼にやられたと聞いた時によォ
冨岡の野郎が助けたと知って
あいつに
いつも以上の殺意が湧いてなァ…


俺ァ、どうかしてんのかァ…?
なぜ俺は、こんなことを


言ってるのか


わかんねぇが


こいつを目の前にすると


伝えずにはいられねぇ。

もう自分に抑えが効かねぇなァ
不死川実弥
不死川実弥
何故だか
お前が気になって仕方ねェ

どうしてんだろうなァ…本当に
何言ってんだ、俺ァ


……ほんと、らしくねぇ


自分が自分じゃないみたいで


変な感じがする。
不死川実弥
不死川実弥
また来るからなァ
そう一言いい


俺は自分の屋敷へと戻ることにした。

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