第38話

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2020/01/30 14:10
言葉が出ない私を

ジトーっと見つめながら話を続ける
童磨
童磨
それから
君が産まれて
さえは俺の迷惑にならぬようにと
少し離れたところで
君と暮らし始めた
童磨
童磨
それからある日

君の様子を見に行こうと
さえのところに行ったんだ
童磨
童磨
そしたら
俺を見た瞬間
怯えた顔をしていたよ…
どうしたの?って聞くと
君を強く抱きしめて
俺を睨んできたんだ…
あなた

…ッッ

童磨
童磨
問い詰めると
震えながら口を開いて
久しぶりに
俺の屋敷へと来た時
ちょうど俺が女の人を喰ってるとこを
みたらしいんだ。

それを見た瞬間
逃げ出したらしい。
童磨
童磨
あぁ……
しくじったと、思ったよ。
淡々と話し続ける鬼







もう……











聞きたくなかった
童磨
童磨
これをバラされちゃ
俺が今まで作り上げてきたものが
全て無駄になる



だから
あなた

……やめろ

童磨
童磨
君のお母さんを喰ったんだ。
最後の最後まで泣いてたよ…
泣き顔さえ可愛らしかった


大好きだったけど…
仕方ないんだよ。バレちゃったし
こんなクソ野郎に



お母さんは殺られた。









そして私は









このクソ野郎と







大好きなお母さんとの間の









子供。















もう絶望でしかなかった。

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