久々に外へ出たので
辺りを散歩していると
ちょうど任務終わりなのか
冨岡さんがいて
やはり疲れているのか
いつもより
虚ろな目をしている
そう言うと
どこかを見つめていた冨岡さんが
私の方へ顔を向け
そして
ほんの少し、ほんの少しだけ
微笑んだ、冨岡さん
冨岡さんが微笑んだとこ
初めて見たけど……
めちゃくちゃ……
かわいい。
そういい
プイッと私から顔を逸らした冨岡さん
コホンと咳き込み
少し顔を見てみると
赤くなっていて
思わず
冨岡さんの可愛さに
笑ってしまい
すぐ真顔に戻ってしまった
そういい
冨岡さんの正面に立ち
顔を覗き込むと
ゆっくり目を合わされ
じっと見つめられた。
思わずサッと目をそらすと
そんなことを平気で言える
冨岡さんはどういう神経をしているのだろう
そこら辺の女の人なら
勘違いしちゃうよ!?
絶対に…
顔が火照っているのを
バレないよう
茶化すように言ってみたけど
それが逆効果だったみたいで…
逸らしたはずの顔を
覗き込むようにしてくる冨岡さん
咄嗟に私は自分の顔を手で覆った
絶対今私顔赤いし
見られたくない……
そう言うと
私の手にパッと冨岡さんの手が重なり
そんなことを言われ
もうパンク寸前になりかけた時
そこには
不死川さんが居て
私の手に重ねた冨岡さんの手を
握り
引き離していた
何故か
不死川さんは
すごく冨岡さんを睨んでおり
冨岡さんも
さっきとは違い
不死川さんを睨んでいた
何故か私を放ったらかし
言い合いをしている
2人の雰囲気はますます
悪化していき
思わず声をかけてしまったが
2人をこのままにしておくのもまずい……
いい終わり
ふと顔を上げてみると
2人ともこちらを見ていて
何故か二人共が私に謝ってきて……
不死川さんは
私の頭にぽんっと手を置き
そのままどこかへ行ってしまい
冨岡さんも
パッと軽く私の方へ手を挙げてくれ
そのままどこかへ行ってしまった
とてもじゃないけど
言い合いしてる時の2人には
近づけないオーラがすごい。
1人ぽつんとそこにいる私も
とりあえず
自分のところへ帰ることにした。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。