なおも
イライラしている不死川さん
1人でブツブツ言ってて
それを私がじーっと見ていたら
私の視線に気づいたのか
急に私の方へ振り向き
そう言って
また片手で顔を覆い、そっぽ向いてしまった。
不死川さんは
照れたら顔を隠すくせがあるんだなぁ……
ダメだ……
もう、伝えずにはいられない…
.
バッと目を見開き
驚いているのかと思ったら
クシャッと優しく微笑み
グッと腕を引っ張られ
優しく抱きしめられた
ずっと伝えたかった言葉をやっと言えた
やっと不死川さんと心が通じた気がした。
.
.
.
ずっと抱きしめたまま
今の気持ちを
そして今までの気持ちもすべて伝え
少し照れたのか
そういった後
私の肩へ顔をうずめていて…
幸せすぎて
嬉しすぎて
涙がこぼれてきて
そう言いながらニコッと微笑んだ不死川さん
今まで色々あった。
もうこの人の傍にはいられないと思った。
もう、会えないと思っていた。
それを乗り越え、今がある。
お母さん。
私、この人と幸せになるからね。
お母さん、ありがとう。
涙でぐちゃぐちゃの顔で
満面の笑みを不死川さんへ向けた。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!