やっと任務へと向かえる。
少し休んだだけでも
体が訛った気がする。
任務へ行くまでの間
体を動かすか。
そんな会話をしながら
帰る準備をしていると
ふと
胡蝶が奴の方へと目を向けた。
俺も同じよう
目を向けてみると
浮かない顔で俯いていた。
気分でも悪ぃのか……?
ふと足があいつの元へと動いた。
そう声をかけると
びっくりしたように顔を上げ
俺を見つめる
こ、
こういうときって何を言えばいい……
声をかけたは言いものの
次の言葉が出てこねぇ……
とりあえず
ありきたりな言葉を伝え
奴の頭にポンっと手を乗せた。
手を乗っけた瞬間
またびっくりしたような顔をしたが
すぐに笑顔になった。
そう言い残し
俺は自分の屋敷へと戻ることにした。
あぁ、
屋敷に戻ると
あいつに会えなくなるのか……
って俺は……
何考えてんだぁ……
らしくねぇ……
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。