先生「 …なんだみんな立ち上がって。もう昼休み終わったから座れー 」
先生の声を合図にみんなが渋々動く
先生「 あぁ、そうだ。転校生のこと話しとこうか 」
先生「 今日からうちのクラスメイトになった、キムテヒョンくん。よろしくな 」
え?
ギョッとして隣を見ると軽くお辞儀をしてるストーカー
…ねえぜんぜん意味が分かんないんだけど?
先生「 じゃーあー…あ、そこの席開いてるよな? 」
私の席の後ろを指差す先生
え、やめて…
先生「 んじゃあそこテキトーに座っといて。はい授業すんぞー 」
こうして私は、授業中
常に後ろからの視線と闘うハメになりました
TH「 (あなた~…あそこなんて書いてる?)」
小声で何度も聞いてくる
目が悪いならメガネをしろメガネを
「 (…もう授業ジャマしないでよ)」
TH「 (今度からコンタクトするから、なんて書いてる?)」
仕方なく教えてあげると嬉しそうに TH「 ありがとっ 」と普通の声で言うから
みんなの視線が痛い
先生「 …なんかあったかー?テヒョン 」
TH「 いえなにも!!気にしないでください 」
私は縮こまってノートを写していた
なんとか授業を終えて、帰る時間に
友達がみんな彼氏と帰るって言うから、ひとりで寂し~く帰ろうしてると
TH「 あなた!ちょっと待ってて 」
「 …なんで? 」
TH「 一緒に帰ろ!どうせ帰るとこおんなじなん 「 もううああああああああー!」…あなたってそんな狂ってたっけ? 」
うるさい、あんたのせいで狂ってるんだよ
バカとは一緒にいても得なことはない
足早に教室を出ると TH「 まってまってまって!! 」と後を追ってくる
「 もう良いって、ひとりで帰らせて!……え、? 」
振り向くと、廊下に横たわっているストーカー
え?
え?まさか、倒れたとか?え?
急いで駆け寄ると、ゆっくり顔を上げて一言…
TH「 …コケた 」
肩の重みが一気にとれてその場にしゃがみこむ
…なんなの、こっちが無駄に心配してバカみたい
TH「 あなた、心配してくれた?? 」
もしかして、と期待の目で私を見つめるストーカー
「 なわけないでしょ、いーから早く立ちなよ 」
ちょっと早くなった鼓動に気づかないフリをしてまた歩き出す
ストーカーも隣でニコニコしながらついてくる
そんな私の横顔ばっか見てたらまたコケるじゃんか、
それは、なんだか恥ずかしくて言えなかった
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。