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第13話

腹黒王子様のエスコート
柴園寺 晴
柴園寺 晴
なんだよ、不満かよ?
でも、文句は受け付けねー
あなた

全然、不満じゃないよ!

あなた

(ちょっと、ドキッと
しちゃっただけで)

そんな軽口を叩きながら帰宅すると、
家の前に見覚えのある人物が立っていた。
高臣
高臣
お帰りなさいませ、
お嬢様、柴園寺様
あなた

高臣! どうしたの?

高臣
高臣
旦那様より言伝です。
今夜開かれるパーティーに
出るようにと
あなた

パーティー?

高臣
高臣
はい、旦那様のお仕事の関係者を
集めた親睦会を兼ねたパーティーです。
エスコートは柴園寺様に
お任せしたいとのことです
柴園寺 晴
柴園寺 晴
わかりました
高臣
高臣
では、鷹宮家でお支度をさせて
いただければと思いますので、
おふたりともリムジンに
お乗りくださいませ
高臣が開けてくれた扉から、
リムジンに乗り込み……。

鷹宮家に着くや否や、
私は晴くんと別の部屋に連れていかれた。
メイド1
メイド1
ではでは、お嬢様
メイド2
メイド2
このドレスにお召し物を
替えさせていただきますね!
あなた

(わー、なんかものすごく
メイドさんたちが乗り気だー)

嫌な予感というのは、当たるもので──。
メイド1
メイド1
では、服を脱いでもらいます!
メイド2
メイド2
さ、お早く!
あなた

うわああああっ

寄ってたかって服を引っぺがされ、
怒涛の勢いで私は深紅のドレスに
着替えさせられる。

私の意思なんてそっちのけで、
メイクまで施された。
メイド1
メイド1
できましたよ、お嬢様!
メイド2
メイド2
ぜひぜひ、鏡の前へ!
私はメイドさんたちに促され、
大きな鏡台の前に立つ。
あなた

う、わ……

胸元が大きく開いた、
私にはちょっとセクシーすぎるドレス。

だけどナチュラルながらも、
ゴールドを基調としたアイシャドウや
薄く引かれた口紅のおかげでドレスが浮いてない。
あなた

別人みたい!

頬に手を当てて感激していたら、
背後で扉がノックされる。
高臣
高臣
お嬢様、入ってもよろしいですか?
あなた

あ、はーい

扉越しに聞こえてくる高臣の声に、
私は返事をして振り返った。

中に入ってきたのは、
高臣だけじゃなくて……。
柴園寺 晴
柴園寺 晴
変な悲鳴が聞こえたけど、
なにがあった……んだ……よ
クリーム色のスーツを身に纏った晴くんが、
瞬きも忘れて固まっている。

でも、そんなことすら気にならないほど、
私は晴くんに目を奪われていた。
あなた

(晴くん、オールバックだ!
前髪上げてるのも新鮮だし、
なんだか男の子なんだって意識しちゃう)

お互いに言葉もなく見つめ合う。
メイド1
メイド1
あらあら、柴園寺様、
お嬢様に見惚れていらっしゃるわ
メイド2
メイド2
本当、初々しいわねっ
メイドさんたちのヒソヒソ話は、
私たちの耳にも入ってきて……。
あなた

……っ

柴園寺 晴
柴園寺 晴
……っ
晴くんと同時にすっと目を逸らす。
あなた

(なんだろう、このムズムズする感じ……。
さっきから心臓も鳴りっぱなしだし)

深呼吸して気持ちを落ち着けていると、
晴くんがすっとこちらに手を伸ばしてきた。
柴園寺 晴
柴園寺 晴
あなた

え……

柴園寺 晴
柴園寺 晴
エスコート、するよ。
俺の仕事だから
メイドさんや高臣の前だからか、
晴くんは優しい口調で言う。
あなた

う、うん

私はゆっくりと晴くんに近づいて、
差し出された腕に自分のそれを絡めた。

すると晴くんは私にしか聞こえないほど
小さな声で話しかけてくる。
柴園寺 晴
柴園寺 晴
歩くぞ
あなた

うん……

あなた

(晴くんが優しい)

いつもの晴くんなら、
私のことなんて置いて行っていたはずだ。

こっそり盗み見ると、
晴くんの横顔が赤く染まっているのに気づいて、
私は慌てて視線を逸らす。
あなた

(なんでそんな顔してるの、
晴くん……。私まで、
ドキドキしちゃうじゃん)

私は恥ずかしさをごまかすように、
晴くんの腕をぎゅっと掴むのだった。