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第18話

そばにいてやる、俺はお前の婚約者だからな
【あなたside】
あなた

あれ……晴……?

あなた

(私、どれだけ寝てたんだろう?)

柴園寺 晴
柴園寺 晴
悪い、起こした
あなた

ううん……平気

掠れた声が出た。

私は返事をしながら、
さっきまで見ていた夢のことを思い出す。
あなた

今、お母さんの夢を見てて……

あなた

(身体が疲れてると、
ついつい弱気になっちゃう
ものだよね)

柴園寺 晴
柴園寺 晴
だから泣いてたのかよ
あなた

私、泣いてたんだ……。
久しぶりに、お母さんの
笑顔を見たせいかも

柴園寺 晴
柴園寺 晴
…………
あなた

いろいろあって忘れてたけど、
お母さんが死んでから、
そんなに時間、
経ってないんだよね……

あなた

(というより考えないようにしてた、
のほうが正しいかも)

柴園寺 晴
柴園寺 晴
きっかけが風邪なのは
どうかと思うけどな、
気が緩んで泣けたんなら、
よかったんじゃねえか?
あなた

え……

柴園寺 晴
柴園寺 晴
気ぃ張って、
ずっと強がってっと、
いつか心が壊れるぞって
言ってんだよ
わしゃわしゃと、
晴くんが私の頭を撫でる。
あなた

(なんでだろう。
晴くんにこうされると、
ほっとする)

柴園寺 晴
柴園寺 晴
んじゃ、俺は自分の部屋に戻る。
お前はちゃんと寝ろよ
あなた

あ……

腰を上げた晴くんの手を、
とっさに握ってしまった。
柴園寺 晴
柴園寺 晴
なっ──
あなた

ご、ごめん! 
けど、眠るまででいいから……
そばにいて、くれないかな?

縋るように見上げれば、
晴くんがぐっと息を呑むのがわかる。
柴園寺 晴
柴園寺 晴
し、仕方ねえやつ!
晴くんはドスンッと荒っぽく、
私が横になっているベッドに座った。
あなた

迷惑……だった?

柴園寺 晴
柴園寺 晴
迷惑だったら、ここにはいねえよ
晴くんは私の手を強く
握り返してくれる。
あなた

私が風邪を引いたとき、
お母さんは仕事でいつもそばにいなくて……

柴園寺 晴
柴園寺 晴
あなた

ひとりだった……から、
こうして晴くんがいてくれて……
うれ、し……い

あなた

(目が開けてられない)

私は瞼を閉じる。
柴園寺 晴
柴園寺 晴
安心しろ、これからは
俺がそばにいてやる。
俺は……お前の婚約者だからな
夢か現かもわからない世界を漂いながら、
晴くんのそんな言葉を聞いた気がした。

***
あなた

んんっ……?

朝日を瞼越しに感じて目を開ける。
あなた

(朝? あれ、身体が動かない)

不思議に思って隣を見れば……。
あなた

ひええっ

晴くんが私を抱きしめて眠っている。
あなた

(うう、吐息が顔にかかるし)

私のものじゃない体温に
心臓がさっきから暴れている。

落ち着かなくて身じろぐと、
晴くんが顔をしかめた。
柴園寺 晴
柴園寺 晴
んー、うる、せえ……
あなた

(あ、すみません)

私は静かに晴くんの腕の中から出る。
あなた

(私のために、
そばにいてくれたんだろうな。
そうだ! 看病のお礼に、
おいしいご飯でも作ってあげよう)

私はシャワーを浴びてから、
部屋を出てリビングのキッチンに立ち、
餃子を作ることにした。
柴園寺 晴
柴園寺 晴
ふああ、ねみい
作った具を皮に包んでいると、
少しして晴くんがあくびをしながら起きてくる。
柴園寺 晴
柴園寺 晴
お前、起きてて大丈夫なのかよ?
あなた

うんっ、もうすっかり元気だよ。
晴くんのおかげ

柴園寺 晴
柴園寺 晴
ならいいけどよ。
あと、それどうやってやんのか教えろ
晴くんは私が作っている餃子に向かって、
顎をしゃくる。
あなた

これはね、まずは具を
皮にのせて──

そう説明しようとしたとき、
隣にきた晴くんの動きが止まった
あなた

晴くん、どうかした?

柴園寺 晴
柴園寺 晴
シャンプーの匂いが……
そう言って、吸い寄せられるように
私の髪に顔を近づける晴くん。
あなた

──えっ、ちょっと晴くん!?

柴園寺 晴
柴園寺 晴
……!
私の声でハッとしたように、
晴くんは勢いよく身体を離す。

そして、手の甲で口を押さえながら
そっぽを向いてしまった。
柴園寺 晴
柴園寺 晴
ぐ、具をのせて……なんだよ
あなた

あ、うん! 
こうやって皮で包むの

こうして、どぎまぎしながら
私は晴くんと一緒に餃子を作ることになった。
あなた

(そう言えば最近、
なにも言わなくても
晴くんが自分から
家事を手伝ってくれること
多くなったな……)

晴くんの変化が素直にうれしかった。
あなた

昨日はありがとう

柴園寺 晴
柴園寺 晴
もう迷惑かけんなよな
あなた

うん

柴園寺 晴
柴園寺 晴
あ、いや……たまになら、
べつにいい
あなた

うん?

柴園寺 晴
柴園寺 晴
一緒に暮らしてんだし、
たまには迷惑かけてきていいって、
言ってんだよ
あなた

──! う、うん……
あり、がとう

あなた

(うわー、うわーっ、
なんだろう、今の……)

私は胸を押さえて、うつむく。
あなた

(なんかすっごく、
胸がきゅんってなった!)