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第8話

熱心な視線
あなた

それにファンクラブの女の子たちを
邪険にすれば、柴園寺くんが
責められるでしょ?

男子生徒2
男子生徒2
……っ、それは……
あなた

だからはっきり「やめて」って
言えなかったのかもしれない。
だから柴園寺くんが悪いわけでは
ないと思います

柴園寺 晴
柴園寺 晴
あいつ……
柴園寺くんが驚きと苛立ちを混ぜたような顔を
こちらに向けてくる。
あなた

(余計なことするなって、
思ってそうだな)

柴園寺くんの表情に苦笑いしつつ、
私はファンの女の子たちに視線を移した。
あなた

ファンクラブの皆さんも、
柴園寺くんが悪く言われるのは
嫌でしょう?

女子生徒1
女子生徒1
うっ、柴園寺くんが悪く言われるのは
嫌……だけど……
あなた

だったら皆さんがルールを守って
人様に迷惑をかけないように
振る舞わないと、柴園寺くんが
悪者になっちゃいますよ

女子生徒2
女子生徒2
そ、そうだよね
男子生徒2
男子生徒2
たしかに、俺たちも柴園寺の気持ちを
考えずに言いすぎたよ
宥めれば双方納得してくれる。

おまけにファンクラブの女子たちは、
壊したセットの修復を手伝って
くれることになった。
あなた

一件落着ですな

男子生徒1
男子生徒1
ありがとうございました!
生徒会室まで相談に来てくれた男子が、
ペコペコと頭を下げてくる。
あなた

いいってことよー

柴園寺 晴
柴園寺 晴
あなたさん、ちょっと話いいかな?
あなた

(──背後から、殺気が!)

恐る恐る振り返れば、
笑顔なのに凄まじいほどの黒いオーラを
背に漂わせている柴園寺くんがいる。
あなた

(柴園寺くんについて行ったら最後、
私、太平洋に沈められるかも……)

あなた

ちなみに、私に拒否権は……

柴園寺 晴
柴園寺 晴
な・い・よ
あなた

(うん、笑顔が黒いっ)

あなた

(本当に、好青年の面で殺気を放つのを
やめてほしい。迫力が増すから!)

柴園寺 晴
柴園寺 晴
来てくれるかな?
柴園寺くんが私の手をガシッと掴む。

そして、『来てくれるかな?』と誘ったくせに、
柴園寺くんは私を強引にどこかへ引きずっていく。
あなた

(ここまで言動と行動が一致してない人に
出会ったのは初めてだよ……)

やがて空き教室に連行されると、
ドンッと柴園寺くんが私を壁に押しつけた。
あなた

ひいっ

柴園寺 晴
柴園寺 晴
余計なことしてくれたな
あなた

はい? 私は自分の仕事をした
だけなんですけど

柴園寺 晴
柴園寺 晴
俺のこと、庇うようなこと言っただろ
あなた

あれは別に庇おうとしたわけじゃ
なくて、本心を言っただけ。というか、
ああなる前に女子たちを引かせないと、
柴園寺くんが悪者になるよ?

柴園寺 晴
柴園寺 晴
別に、どう思われてもいいし。
どうせ、俺に近づいてくるやつらは
柴園寺家の肩書きに惹かれてる
だけだしな
あなた

……拒絶されて平気な人なんて
いないと思うよ。そうやって
ひとりになるの、ダメだよ

柴園寺 晴
柴園寺 晴
ダメとか、お前に言う権利ねえだろ
あなた

……私は、お父さんが迎えに
来てくれなかったら、
世界にひとりぼっちになるところだった

柴園寺 晴
柴園寺 晴
だからなんだよ
あなた

悲しいこと、辛いことがあったとき、
柴園寺くんを助けてくれる人、
たくさん見つけないとってこと

間近にある柴園寺くんの顔を見上げて、
にこっと笑う。

目を見開く柴園寺くんの頭に手をのせ、
くしゃっと撫でたあと──。
あなた

それじゃあ、生徒会室に戻るね

私はそそくさと空き教室から退散した。
柴園寺 晴
柴園寺 晴
…………
柴園寺くんが私の背中を熱心に
見つめていたことになんて、
少しも気づかずに。