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第20話

俺のお嫁さんになってほしい
先輩と手を握り合っているところを、
生徒会室にやってきた晴くんに見られてしまった。

晴くんはよそゆきの爽やか王子の顔で、
にこっと笑う。
柴園寺 晴
柴園寺 晴
彼、不祥事起こした
政治家の息子だよね。
一緒にいたら鷹宮家の名前に
傷がつくよ?
あなた

なっ……なんてこと言うの!

あなた

(ここ家じゃないのに、
腹黒全開なんですけど!)

あなた

不祥事を起こしたのは、
先輩のお父さんであって、
先輩じゃないでしょ!

柴園寺 晴
柴園寺 晴
それは普通の家庭で生まれた
人間に当てはまることであって、
この学園に通う人間には
当てはまらない。家の不祥事は、
その息子の不祥事にもなるんだ
あなた

晴くんだって財閥の御曹司
だからって近づいてくる人を
嫌がってたじゃん!

あなた

それなのにどうして? 
晴くんの言ったことは、
家柄でその人を見てるって
言ってるようなものなんだよ!

込み上げてくる怒りに任せて、
言葉をぶつけてしまった。

すると晴くんは眉をひそめ、
私たちに背を向けてしまう。
柴園寺 晴
柴園寺 晴
生徒会長と一緒にいれば、
同じように傷つけられるかも
しれない。それでもいいって
言うんなら、勝手にしなよ
それだけ言って、生徒会室を出ていく晴くん。

それっきり、晴くんとは家でも
ギスギスするようになった。

夕食の時間になっても部屋から出てこないし、
学校も今までは途中まで一緒に行っていたのに、
先に家を出ていく始末。

そうやって数日が過ぎ……。
あなた

……はあ

ある日の放課後、
私は生徒会の仕事をしながら
堪えきれずにため息をついた。
有栖川 真白
有栖川 真白
あなたちゃん、
ちょっと歩かない?
あなた

え?

落ち込んでいると、先輩に声をかけられた。

よくわからないまま誘いに乗ると、
先輩は私を学園の温室に連れてきてくれる。
あなた

(あれ、なんていう花だろう。
綺麗だな……)

花には詳しくないけど、
綺麗な植物を見ながら歩いていたら
不思議と嫌な気持ちが落ち着いてきた。
あなた

(先輩、私が悩んでるのに
気づいて、気晴らしに
連れてきてくれたんだな)

有栖川 真白
有栖川 真白
俺のせいで、ごめん。
柴園寺くんのこと……
あなた

先輩はなにも悪くないです!
私と晴くんが勝手に
喧嘩してるだけですから

有栖川 真白
有栖川 真白
でも、生徒会の仕事中、
あなたちゃんずっとため息ついてる。
それくらい好きな人と
すれ違ったままなんだ。辛いんでしょ?
あなた

す、好き!? 
そんな、違いますよっ

私は慌てて否定する。
あなた

(いや、なんで私、
こんなに必死に否定
してるんだろう)

あなた

(まさか本当に? 
先輩の言うように、私、
晴くんのことが好き……
なんじゃ……)

鼓動が速まるが、
私はすぐに『ないない』と頭を振った。
有栖川 真白
有栖川 真白
じゃあ、あなたちゃんが
優しいだけかな? 
それなら、よかった
あなた

よかった?

有栖川 真白
有栖川 真白
俺は政治家の息子だから、
不良行為だととられるような
行動をして、親の名に
傷がつくことはするな
有栖川 真白
有栖川 真白
学園でも常に高い成績をキープして、
人望を集めるようにって
言われて育ってきてね
あなた

(じゃあ、先輩の大人っぽい
振る舞いは……。ご両親に
認められたいがための武装?)

有栖川 真白
有栖川 真白
ずっと政治家の息子って
肩書きが重くて、
仕方なかった。でも……
先輩のまっすぐな瞳に、
私の顔が映り込む。
有栖川 真白
有栖川 真白
きみのおかげで、
俺はその肩書きに囚われなくて
いいんだって思えるようになった
あなた

先輩……

有栖川 真白
有栖川 真白
きみといれば、俺は自然体で
いられる気がする。だから……
もし、柴園寺くんと本気で
婚約する気がないなら──
真白先輩が私の両肩を掴んで、
軽く引き寄せた。
あなた

あっ……

有栖川 真白
有栖川 真白
俺のお嫁さんになってほしい