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第9話

腹黒王子の恩返し
──放課後。

校門の前までやってきたときだった。
???
???
あなたさん
横から伸びてきた手に腕を掴まれて、
誰かに引き寄せられる。
あなた

きゃっ

顔を上げれば、柴園寺くんの顔が
鼻先がぶつかりそうなほど近くにあった。
あなた

(ぎゃあっ、今度はなに!?)

私たちの様子を遠くから囲むようにして
監視──観察していた紫園寺ファンの
女の子たちから悲鳴があがる。

私たちの距離が近いからだろう。
柴園寺 晴
柴園寺 晴
今日のお礼がしたくて
あなた

(お礼? なにを企んでるの、
紫園寺くん)

貼り付けた王子スマイルを凝視しつつ
眉を寄せる私の耳元に、
柴園寺くんが唇を寄せる。
柴園寺 晴
柴園寺 晴
借り、返しに来たって言ってんの。
ちなみに、お前に拒否権ねえから
あなた

(それ、借りを返しに来た人の
セリフじゃないよ……)

柴園寺くんとの同居生活が始まって、
リムジンでの送り迎えはなくなったはずだった。

けれど私はなぜか、目の前に停まっていた
リムジンに押し込められ……。
あなた

あ、あの……ここは?

私はただいま、高級ブティックの前にいる。

呆気にとられたまま、
あきらか場違いなお店を見上げ、
立ち尽くしていた。
あなた

(高校生の私でもわかる。
ここ、入ったら絶対に自己破産しなきゃ
いけないレベルのお店だ!)

柴園寺 晴
柴園寺 晴
これから服でも買ってやる
そう言って迷わずお店に入ろうとしている
柴園寺くんの腕を慌てて掴んで、
引き留めた。
あなた

早まらないで!
かっこつけて破産したら、惨めなんて
言葉じゃ足りないくらい惨めだから!

柴園寺 晴
柴園寺 晴
お前……俺をバカにしてんのか?
つーか、足りないって言いながら、
2回も惨めって言ってるからな
あなた

第一、お金ないでしょ!?
私たちの全財産は、高臣から預かった
通帳の中にしか……

柴園寺 晴
柴園寺 晴
親父たちの言いつけを
真面目に守る義理なんてねえだろ
柴園寺くんは制服の懐からお財布を出して、
そこからカードを取り出して見せた。
あなた

(ブ、ブラックカード!?
あの、クレジットカードの最上級とも
言われる、金持ちの象徴!!)

あなた

じ、自信満々になにしてんの……。
修行の意味ないし……

柴園寺 晴
柴園寺 晴
ごたごたうるせえ。
いいから入るぞ
柴園寺くんは私の手を引いて、
お店に入っていく。
店員
店員
いらっしゃいませ、柴園寺様
折り目正しくお辞儀して、
柴園寺くんを迎えるスーツ姿の店員さん。

行きつけのお店なのか、
他にも店員さんがずらりと壁際に並んでいて、
笑顔で出迎えてくれる。
あなた

(超、VIP待遇……)

柴園寺 晴
柴園寺 晴
気に入ったものがあれば、
声をかけます
柴園寺くんは外面モードなのか、
あの好青年の笑みと物腰柔らかそうな敬語で
店員さんたちを下がらせた。
柴園寺 晴
柴園寺 晴
さっさと選べよ
あなた

そんなこと言われても……

目の前にある服をひとつ手に取って、
タグを確認してみる。
あなた

よ、よんひゃくまん!?

あなた

(高いだろうなとは思ってたけど……)

あなた

想像の遥か上をいく金額……

柴園寺 晴
柴園寺 晴
俺が出すって言ってんだろ
あなた

ワ、ワンピース一着で
生活費1年分が飛ぶ金額なんだよ!?

あなた

(どうしよう、ここにいるだけで
生きた心地がしない。万が一、触って
壊しちゃったらと思うと……怖すぎる!)

柴園寺 晴
柴園寺 晴
なんだよ、うれしくねえのかよ。
さっきから浮かない顔ばっか
しやがって。女は、こういう贈り物が
好きなんじゃねえの?
柴園寺くんは怪訝な顔をしていた。
あなた

(柴園寺くん、今まで一体どんな女の子と
付き合ってきたんだろう……)

あなた

他の人がどうかは知らないけど、
私はこんな高価なものもらったら、
むしろ怖いよ。なにを企んでるのかなって

柴園寺 晴
柴園寺 晴
失礼な奴だな
あなた

この際、失礼でもなんでもいいよ。
とにかく! 連れてきてもらって
申し訳ないけど、もっとワンコインで
済むお礼にしてほしいな?

柴園寺 晴
柴園寺 晴
なんだよ、ワンコインって。
もっと具体的に欲しいものを言えって
あなた

(欲しいものなんて、ないんだけどな……。
でも、なんか言わないと柴園寺くんの
機嫌が悪くなりそうだし)

周囲をきょろきょろと見回しながら、
目ぼしいものを探す。

そこで公園に止まっていた
ランチワゴンを発見した。
あなた

じゃあ、あのクレープで!