
第2話
2歩目
私の目の前に、木田遥斗がいる。それも、幽霊となって私の前に現れてきた。
遥斗は私のベットに座る。
遥斗は、窓の外を指さす。
キランッと効果音の出そうなウィンクをしてくる。
私は、窓の外を指さす。
私は、幼い頃から死んだ人が視えていた。視えているだけではなく、寄って来やすくもあった。そのせいで、周りの人達から理解してもらえないことが多々あり小・中学校の時の友達はゼロ人。
だが、私は変わった。不遇な幼少期はおさらばだ!なんせ、私はJ K!友達と遊びまくって、生きているイケメンの彼氏を作るんだ!目指せ、リア充!
遥斗は壁をすり抜けて部屋から出て行った。
私は遥斗をあしらいながら高校へと足早に向かう。遥斗と話しているところを人に見られたくなくて、なるべく人通りのない道を選んで歩く。
不意に私は何かにぶつかって地面に尻餅を付く。
私の目の前に手が差し出される。
私に手を差し出してくれているのは同じクラスの柏木隼人。
切れ長の目に不機嫌そうな口元。眉間に皺が寄っているせいで、目つきが怖すぎることになっている。一部の女子には「孤高のヤンキー」と人気があるそうだがその魅力が私には分からない。
何故なら、私が苦手な人だから。
隼人が、私を見下ろしてくる。
私は隼人の制止を気にせずにそのまま逃げるように走った。
学校に着けばとにかく安全だ。私は通学路を無我夢中で走る。
さっきまで、私に憑り付いていた遥斗がどこにもいなかった。
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