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第1話

1歩目
目の前の私より頭2つ分大きい男が冷たい指先で私の頬を撫でる。
なんで、目をそらすの?
由良
だって、こんなに近くで見られたら恥ずかしくて……
切れ長の瞳に、整った鼻筋。薄っすらと笑みを浮かべる唇。私は、こんな完璧な顔を見つめていられるほど心臓が強くない。
可愛い。俺の周りにはこんな可愛い子いなかった
由良
そんな、可愛いなんて
ねえ? 君の名前を教えて
由良
茅野由良(かやのゆら)です
由良か。珍しい名前だね。俺の名前は木田遥斗(きだはると)
由良
知っています! モデルの木田遥斗さん!
木田遥斗
本当に? 俺のこと覚えていてくれたの?
由良
えっ?
遥斗の言葉が妙に引っ掛かる
木田遥斗
あっ、いや、何でもない! それより、由良は彼氏とかいるの?
由良
い、いないです!
木田遥斗
良かった
遥斗の顔がゆっくりと私に近づく。
テレビで見ていた時は、爽やかイケメンのイメージだったけど
近くで見ると色っぽく感じる。
由良
(なんか、思っていたより色白?とういうより、青白い?気がする)
木田遥斗
そんなに、見つめられるとドキドキする
吐息が掛かるほどに近くなる。
由良
(はぁ~かっこいい~こんなイケメンが私の目の前にいるなんて信じられない)
木田遥斗
信じられないなら、信じさせてあげようか?
由良
えっ?(今、私の心の声が聞こえたの?)
木田遥斗
由良、俺の彼女になって。俺の側にずっといて
由良
(きゃあああっ!告白されている!!! 夢みたい!)
このまま、舞い上がって飛んでいきそうな気分だ。
木田遥斗
それで、返事は?
由良
よ、よろしくお願いします!
遥斗が嬉しそうに微笑んでくる。
由良
(笑った顔もイケメン過ぎ!本当に夢みたい!夢みたい?あれ?これって、夢?)
私は、自分の頬をつねる。
由良
痛くない……
木田遥斗
夢じゃないよ!ね?ほら、キスしてみよう?
遥斗が早口で捲し立てて、私の頬を両手で包む。
由良
冷たい!
私は、思わず遥斗の手を振り払う。
由良
(なんか、おかしい!ほっぺをつねった時は痛くなかったのに、冷たさは感じるなんておかしい!)
遥斗は、自分の手を見つめている。
木田遥斗
もう少しだったのに
由良
えっ?何を言っているの?
ピピピピッピピピピッ
どこからか、携帯端末のアラームの音が聞こえてくる。
木田遥斗
ゆ、ら、さっきの……んじ……わす……いよ
由良
なんて、言っているの?聞こえない!
アラームの音が遥斗の声をかき消す。
由良
もう!うるさいな!
ピピピピッピピピピッ
由良
はぁ、はぁ、びっくりしたー
私は、携帯端末を探してアラームを止める。
由良
(夢かー 妙な夢だったなぁ。夢なら、キスぐらいしておけば良かった)
私は、ベットから体を起こす。
由良
(木田遥斗かぁ。きっと、寝る前にネットニュースを見たせいかなぁ)
携帯端末に電源を入れて昨晩見た、ニュースのページを開く。
三年前に死亡した元モデル木田遥斗。
雑誌minminで幻のオフショットの掲載が決定。
由良
こんなに、イケメンなのに残念。確か、ファンの女性に刺されて死んじゃったんだっけ?
そうそう。まじ、痛かったよ
由良
だよねー 包丁で三回も刺されてたら痛いよね
それも、後ろからだから避けられなかったんだよー
由良
後ろからかー うんん?
ここは、私の部屋だ。私しかいない。
由良
(なら、この声は誰?)
私は、ゆっくりと声がする右側を向く。
木田遥斗
おはよう。由良
由良
き、きゃああああああ!
木田遥斗
やっぱり、俺のことが視えているんだ~

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桃木昴
桃木昴
桃木昴といいます。 「アイドルと恋の方程式」 只今、連載中です! ちなみに、アイコンはうちの愛犬です😆 twitter @momoki552
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