私はつっかえながらも伝える。
私の瞳から涙が溢れて零れ落ちる。
遥斗が少し困った顔をする。
隼人が私の前にティッシュの箱を置く。
私はティッシュを貰い涙を拭う。
私は、遥斗の言い方に少し気になった。
なんか、気が抜けてくる。
私は、さつきから疑問に思っていたことを聞いた。
私は鞄の中から、メモとペンを取り出す。
香織が立ち上がって部屋を出た。パタパタとスリッパの音が聞こえる。
崇人が電話を受け取り、美緒に電話を掛ける。みんなが固唾を呑む。
思わず遥斗と目を合わす。遥斗は少し緊張したような顔をしてた。
プープープープー
その音から、崇人の言葉が続かなかった。
遥斗の顔がわかりやすく沈んだ顔をする。
私は、遥斗から聞いた電話番号を崇人に伝える。
電話の呼び出し音が聞こえる。
プルルルッ
プルルルッ
プルルルッ
崇人がスピーカーのボタンを押す。
私は小さなガッツポーズをした。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!