家に帰りたくないからかな。
気がついたら音楽室にいた。
春瀬 天音
私、ピアノ弾きたいんだね
初めてコンクールで発表した曲を弾く
小豆沢 奏馬
いい音してる
春瀬 天音
はわっ…!?
小豆沢 奏馬
あ、ごめん。驚かせた?
春瀬 天音
い、いえ…
小豆沢 奏馬
俺は奏馬。ピアノを弾いてる
春瀬 天音
えっと、天音です
小豆沢 奏馬
君のピアノは綺麗な音をしてるね
春瀬 天音
ほんと、ですか?
小豆沢 奏馬
うん、でも暗い顔してる。何かあった?
春瀬 天音
私、才能がないんです
春瀬 天音
親にもうやめろって…
小豆沢 奏馬
君はやりたいんでしょ?
春瀬 天音
はい!お姉ちゃんみたいに弾けるようになりたいんです!
小豆沢 奏馬
じゃあ続けなよ
小豆沢 奏馬
別に親に従うことが正しいわけじゃない
小豆沢 奏馬
さっきの続き、聞かせてよ
春瀬 天音
はい…?
小豆沢 奏馬
ピアノ
小豆沢 奏馬
俺は好きだよ
小豆沢 奏馬
君の音
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第6話 6話
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。