第5話

4 。# 夢主視点。 ⚠少しシリアス
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2022/01/20 14:19









ここ最近同じ夢を見る


ひまわり畑に


着物を着た男の人と同じく着物を着た私



永遠に愛してると呟いてどこかへ消えていってしまう


身に覚えのないはずなのに。



なんだか悲しく苦しくて



手を伸ばすところで目が覚める










あなた 「…またあの夢。」


そう言葉にしてゆっくりと身体を起こす






布団と机しか入らないような狭い部屋


少しため息をはいて立ち上がる


















ピピピッ…カチッ



少し離れた場所から聞こえるアラーム音





とっくに用意を済ませた私は家族の朝ごはんを作る



トッ…トッ…トッ



足音が近づく




お父さんか。今日は少し早いのかな







ガチャ


リビングの扉が開く



父 「…おはよう」


あなた 「…おはよう」



目に見えてわかる作り笑顔の挨拶に


少し間を置いて笑顔で返す





朝の会話はこれだけ


たったの2mの距離がものすごく離れて感じる







トットットッ


ガチャッ


あなた 「…おはよう」



母 「…」



挨拶をした私を横目で見ながら椅子に座る


父 「…晴人はるとはまだ起きてないのか」


母 「…ぇえ。多分もうすぐで起きてくるわよ」





晴人くんは中学生になったばかりの私の弟


お母さんが優里ゆりさん



お父さんがつとむさん




しっかり血縁関係がある。ちゃんとした家族。






こんなにも違和感があるのは。私のせい






ガチャ



気が向いて無かった。驚いて少し肩が跳ねる



晴人 「…?」 ペコ


驚いた私を見た晴人くんと目が合って会釈をする








勤 「おはよう晴人」


優里 「おはよう」


晴人 「…おはよ」





いつも通りの挨拶。少し羨ましく思いながら準備をつづける




















あなた 「いってらっしゃい。優里さん」




優里 「…。」




つとむさんの少しあとに家を出た優里さんを見送る



相変わらず返事はないけど





ため息が出そうになるところを抑えながらリビングに戻る





晴人くんはまだのんびり朝ごはんを食べている



晴人 「…ご馳走様でした」



ちゃんと手を合わせて「ご馳走様」と言ってくれることに毎回嬉しくなる










晴人くんの準備が終わってお見送りをする



晴人くんが出ようとする



「行ってらっしゃい」と声をかけようとすると




晴人 「あ」


あなた 「…??」















晴人 「おはよう」









思ってもいなかった言葉に少し驚く



晴人 「朝。会釈だけだったから」


そうゆうことか。




あなた 「おはよう」 





無口だけど周りを見れている晴人くんの優しさに胸がジーンとする



晴人 「うん。いってきます」


あなた 「いってらっしゃい」







… パ タ ン。ッ




あなた 「…よしっ!」


今日はいい日になるかもしれない…!


























でも




いい事があった日は必ず悪いことが起きる






夜ご飯中のこと



優里 「あなたさん。」


あなた 「…ッ…はい」




少し低めの声に肩が跳ねる



優里 「私のお弁当に卵が入ってました」
優里 「私がアレルギーなの知ってるよね?」

嫌な汗が流れる


あなた 「…すみません。勤さんのと間違えたかもしれないです。」



勤 「…ぁあ。たしかに僕のには卵は入っていなかったと思うよ」


優里 「なんで間違えるのよッ!アレルギーなんだからもうちょっと気をつけなさいよ!」


あなた 「ッ……すみません」


勤 「まぁまぁ…誰にだって間違いはあるよ…」


優里 「なによ!口出さないでちょうだい!」ガタッ


勤 「…ッ!なんだその言い方は!」 ガタッ



…まずいことになった


あなた 「落ち着いて…ッ」



どんどん口喧嘩がヒートアップする



あなた 「落ち着いてお母さん!」




あなた 「ッッ…!!」






だめだ。




優里 「お母さんって呼ぶな!!!」



ご飯を食器ごと振り落とす



あなた 「ごめんなさいッ」



優里 「やめてよっ!やめてっ!」



あなた 「ごめんなさいっ!ごめんなさい!」
























































さっきの事が無かったかのように静まり返ったリビング





あなた 「…疲れた。」




無意識に呟いた言葉に涙が零れる




窓を眺めると綺麗な満月









私はふらっと外に出た

















近くの公園のベンチに座って月を眺める











あなた 「…」




自分でも驚くくらい涙腺が脆くなっていることが分かる




涙が溢れてとまらない











?? 「どうしたの?」





横をむくと



いつからいたのか分からない目隠しをした男の人が座っていた




白色の髪に



真っ黒な服



それに目隠し








絶対怪しいはずなのに



何故か包まれるような安心感があった












あなた 「聞いてくれる?」





自然と出た言葉。



























?? 「うん。いくらでも」






その言葉の優しさに。また一筋
























涙が零れた