目を覚ますと…そこは公園だった。
公園で赤ん坊を抱えた男の子と小さい女の子がいた。
全然しならい子なのに…
何だか懐かしく感じてしまった。
「お、おい。お前どっか痛いのか?」
赤ん坊を抱えながら焦ってこちらに来る男の子。
『へ?』
「泣くほ痛いか?」
と心配そうに私の顔を覗き込む。
泣く?
私泣いてるの??
この男の子の顔見たことある…
『た、たかちゃん?』
「え、なんで俺の名前知ってんの?」
驚いたように目を見開く。
『な、なんでだろう…』
私も驚いた。
でも、この子を見ていると何だが懐かしくてどこが悲しい気持ちになる…。
「まぁ、いいや。俺の名前は、三ツ谷隆。」
その名前を聞いた途端知らない記憶が私の頭を巡る。
何もわからず、ただ彼に会えたことがとても嬉しくなり泣いてしまった
決めた…。
“私”は……いや
“俺”は
この人達を守りたい!
圭介にも…たかちゃんにも…
みんな
死んでほしくないから…
『“俺”の名前は、紫崎あなた!よろしくな!』
笑顔でたかちゃんを見る。
「お前男だったのか!?」
驚いた顔をするたかちゃんを見ながら
絶対に死なせない。
殺させやしない。
と誓った。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。