『え、俺男に見えねぇ?』
と困ったように笑ってみせる。
「綺麗な顔してっから女かと…あと…服装が…」
と私をまじまじと見るたかちゃん。
服装??
自分の服装を見ると。
可愛らしいピンク色のワンピースを着ていた。
まずい。
これは、まずい。
「ひ、人の趣味をとやかく言うあれはないけど…」
私は、慌てながら答えた。
『お、親がよ。女が欲しかったんだと…それで来てやってんだよ』
嘘です、ごめんなさいと心の中で謝りながら自分を偽っていく。
そう偽って行くうちに…。
気がついたら、目の前にはマイキー、ドラケン、パーちん、たかちゃん、圭介、一虎が居た。
場地「俺と一虎、そしてあなたが特攻隊長だ!!」
嬉しそうに肩を組んでくれる圭介。
マイキーも、ドラケンもみんな嬉しそう…。
『わりぃ、俺お前らのチームには入れねぇ。』
とぎこちなく笑う。
さっきまで笑っていた皆が一斉にこっちを向く。
『俺は、俺のチームを作る。じゃあな!』
みんなに伝え、背を向け階段を1歩また1歩降りていく。
後ろから何やら聞こえているけど…
『ごめん…ごめんな、みんな』
進む足を止めることは出来なかった。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。