第3話

🦔
471
2020/12/29 15:13
今日もまた同じ1日が始まる。

デビューという目標のためにここにいる練習生

全員が1日中死に物狂いで踊ったり、歌ったり

する日々が。



私はこの空間が嫌いだ。

私のダンスを見ては周りから笑われる。

私の分からない言語で話しているけど、馬鹿に

されていることくらい理解できた。



だからこの空間に居たくなくて、出来るだけ目

立たないようにいつも練習室の端っこの方で練

習していた。




ある日、いつものように練習室の端っこで練習

していた時に、ダンスの先生に呼ばれてそこにいた

練習生全員が集まった。

ダンスの先生
今日から新しく入る子よ。
自己紹介して。
ソア
ソア
こんにちは、チョンソアです。
00ラインです。
これからよろしくお願いします。
みんなの目の前で話す彼女はまるで天使のよう

に可愛かった。

目はクリクリで、顔は小さくて、スタイルも良

くて、髪もサラサラで。

私はこの子を見た瞬間に、私はデビュー出来な

いかもしらない、と思ってしまう程だった。


しかも彼女は顔だけではなかった。

ダンス、歌、全てが完璧で、私が入った時から

ずっといるあの人よりも何倍も上手だった。




私もソアさんみたいになりたくて、練習を再開

した。

するとまた、周りからの笑い声が聞こえてき

た。

私は聴こえていないふりをするけど、心はボロ

ボロだった。

だから、あと10秒数えても収まらなかったら逃

げ出そう、と思っていた時にいつもとは違う事

が起きた。
ソア
ソア
あの、それやめてもらってもいいですか。
そのみんなで1人の子を笑っているやつ。
デビューするために事務所に入ったのにいじめですか?
ダンスとか歌を磨く前に自分達の態度について
考えるべきなんじゃないですかね。
自分より下手な子を見下している貴方たちよりも一生懸命努力しているあの子の方が全て優っていると思いますけど。
そんなこと言ってくれる人初めてみた。

私はいじめられる事が当たり前のようになって

いたから、こうやって私の味方についてくれる

人ができて驚いた。

ソアさんは性格もいいなんて、ますます目標に

したい人だなって思った。

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