練習室の扉を開けると、誰かがいた。
しかも座ってくつろいでいるようだ。
流石に扉を開く音は聞こえたのか、扉の方向に
振り返った。
え?なんでこの人知ってるの?
私がなんでぶーちゃんがこのことを知っている
のか分からなくて戸惑っていたら、それを見た
ぶーちゃんが笑って理由を話してくれた。
そんな事まで知っていたなんて。
でも、そのことを聞いて私のことを無視したソ
アちゃんはどんな気持ちなんだろう。
私のことがやっぱり嫌いだったのかな。
またうじうじと1人で考え込んでいるとぶーち
ゃんが私に話しかけて来た。
ぶーちゃんからの問いに私は答えることを悩ん
だ。
ぶーちゃんだから大丈夫だ、って励まして応援
してくれるって分かってたから。
優しい人だから私の気持ちなんてすぐに汲み取
って励ましの言葉をかけてくれるだろう。
そんなんじゃ、覚悟できないままで迷惑をかけ
てしまう。
ぶーちゃんは私の心の中を見事に言い当ててし
まった。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。