第278話

第277話
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2021/08/11 09:00
~紫耀side~




やばいやばいやばい
あなたが俺のバイト先に来てしまった…


しかもよりによって今日は俺目当ての客が多い



てかなんで健人先輩と一緒に来てんだよ






平野紫耀
平野紫耀
店長…ヤバいです…彼女が来てます
カフェの店長
あらら…どんまい笑


どんまいって…
他人事だと思いやがって


平野紫耀
平野紫耀
めっちゃ機嫌悪いんすけど…俺、どうしよ…
カフェの店長
あんだけキャーキャー言われてたら良い気しないかもね、彼女さん
平野紫耀
平野紫耀
そうなんすよ…マジでどうしよ…


と頭を抱えていると、健人先輩が頼んだコーヒーと、あなたが頼んだグレープフルーツジュースの他に、ケーキがトレーの上に置かれた


平野紫耀
平野紫耀
ぇ、アイツ…ケーキなんか頼んでなかったすよ?
カフェの店長
これ持って彼女の機嫌直してこい
レモンのケーキだから妊婦にも食べやすいだろ
平野紫耀
平野紫耀
マジすか!?ありがとうございます!
カフェの店長
お前の給料から引いとくからな~


なんか余計な一言が加えられたけど…
俺はそのトレーを持ち、あなたたちの卓へと向った



平野紫耀
平野紫耀
お待たせ致しました
私
ぇ、私ケーキなんか頼んでないけど?
平野紫耀
平野紫耀
俺からのサービス
中島健人
中島健人
ぇ、そんな重たいモン食べてつわり大丈夫?
平野紫耀
平野紫耀
レモンのケーキだからあなたにも食べやすいと思うよ
私
ぁ、ありがとう


少しは機嫌良くなったかな?って思ったけど…


女性客
紫耀くーん♡こっち!オーダーおねがーい♡
女性客
紫耀くんまだなのー?
女性客
紫耀くんー♡
中島健人
中島健人
マジで大人気だな…お前
平野紫耀
平野紫耀
あはは…


女の客がうるさ過ぎる
俺は今あなたに接客してんだよ!!
邪魔すんじゃねえよ!!

って言えたらどんなに楽か


あなたの顔もまたドンドン不機嫌になっていくし…



私
早く仕事戻れば?
女の子が呼んでるよ
平野紫耀
平野紫耀
あなた、口開けろ
私
は?なんでよ
平野紫耀
平野紫耀
いいから


俺はケーキをフォークで一口分掬うと、あなたの口元に持っていき食べさせた

他の客がギャーギャー騒ごうが関係ねえ
もうどうにでもなれ



女性客
キャー!何よアレ!!
女性客
あの子なんなの!?紫耀くんに食べさせて貰って
女性客
ずるーい!私にもしてよ!!
私
ちょ、しょう…///
平野紫耀
平野紫耀
美味しいですか?お姫様
私
ん、おいしい…です///
中島健人
中島健人
お前…中々やるな…


あなたの機嫌を直すためだ
誰に見られてようが気にしない
むしろ見せ付けたいくらいだよ

健人先輩にもね



平野紫耀
平野紫耀
ここに来るの…どうせあなたが誘ったんだろうけど…あなたは俺のってこと、忘れないでくださいよ?
中島健人
中島健人
ちゃんと分かってるよ
帰りも無事に家まで送り届けてやるから心配すんな
私
紫耀…LINEとか誰にも教えちゃ嫌だよ?
平野紫耀
平野紫耀
誰にも教えるわけねえだろ
お前と、赤ん坊のために働きに来てんだから
私
ん、信じてるよ…?
平野紫耀
平野紫耀
おうっ、んじゃ…俺、仕事戻るな?
私
ん、頑張ってね


あなたの元から離れる前に軽くポン、と頭を撫でれば頬に口付けた

その瞬間、他の女からキャアアア!と悲鳴のような声がチラホラ聞こえて来たけど…


気にしない気にしない




女性客
紫耀くん!私にもあーんってして!!
女性客
ほっぺにちゅうとかアリなの!?
女性客
マジでなんなのあの子!!
平野紫耀
平野紫耀
アイツだけ特別です
VIPサービス笑



まあ、この後店長に怒られたのは言うまでもない

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