~紫耀side~
小屋の中にいたあなたは、手脚を拘束されテープで口を塞がれたまま横たわっていた
まさか…死んでねえよな…?
じんの声でハッと我に返り急いであなたの元へと駆け寄り抱き締める
抱き締めたあなたの身体は冷たく冷え切ってて…しかも目を覚まさない
必死に2人で声をかけ、軽く頬を叩くとやっとあなたの目が開いた
口からテープを剥がし、拘束を全て解いてやると、あなたは泣きながら俺に抱き着いてきた
恐怖と寒さでブルブル震えるあなたの身体をしっかり抱き締めた
あなたが見つかって…生きててくれて良かった...
安心したのか俺の目からは涙が溢れて来た
じんの声も泣いているのか震えてる
あなたが見つかったのもお前のお陰だよ、じん
俺は抱き締める腕に力を込め更に強くあなたを抱き締めた
もう絶対にあなたを危険な目には合わせない
そう心から強く誓った
制服のブレザーを脱ぎあなたに掛けるとそのまま抱き抱え、屋敷に戻って行った
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!