第141話

第140話
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2021/03/22 10:45
~あなたside~



良かった...助かった...

紫耀なら絶対助けに来てくれるって信じてたよ
だって紫耀は私のヒーローだもん


恵の運転手
恵の運転手
良かった...!お見つかりになったのですね!
神宮寺勇太
神宮寺勇太
離れにある小屋にいましたよ
恵の運転手
恵の運転手
まさかそんな所に...
今すぐに温かいものをお持ち致します!


用意してもらった紅茶を口にすると身体は相当冷え切っていたのか温かさが染み渡る


私
ふぅ...
平野紫耀
平野紫耀
落ち着いたか?あなた
私
ん、落ち着いた


でも影浦さんが姿を表した途端、全身が震えた

怖い...
もう出来れば会いたくない...


影浦恵
影浦恵
ふぅん...見つかったんだ?あなたちゃん
神宮寺勇太
神宮寺勇太
めぐ...
私
ゃ、紫耀...ッ
平野紫耀
平野紫耀
大丈夫だあなた、俺がついてる


紫耀に抱き着くとギュッと抱き締めてくれた


影浦恵
影浦恵
まるで悲劇のヒロインね
平野紫耀
平野紫耀
それはお前の方だろ影浦
よくも俺のあなたを...
神宮寺勇太
神宮寺勇太
紫耀、ここは俺が決着を付ける
事の発端は俺のせいだから
平野紫耀
平野紫耀
じん...頼んだ
神宮寺勇太
神宮寺勇太
めぐ...こんな事しても虚しいだけだよ?
影浦恵
影浦恵
どうして勇太の初恋相手は私じゃないの?
なんでその子より先に私と出会えなかったの?
神宮寺勇太
神宮寺勇太
めぐよりあなたちゃんと先に出会うなんて運命なんだから俺にはどうしようも出来ないよ
ゲームや小説みたいに俺が操作する訳じゃ無いんだから
影浦恵
影浦恵
それは分かってるけど
神宮寺勇太
神宮寺勇太
何でも自分の思い通りになると思ったら大間違いだよ、めぐ
もうこれ以上めぐに振り回されたくない
影浦恵
影浦恵
そんな...勇太...私はこんなに勇太のことが好きなのに...
神宮寺勇太
神宮寺勇太
悪いけど...幻滅した
俺の大切な思い出を汚された気がして
影浦恵
影浦恵
.........
神宮寺勇太
神宮寺勇太
あなたちゃんは人に恋をする大事な気持ちを教えてくれた俺の大切な人だよ
この事実は一生変わらないし...変えるつもりもない


勇太くんが頑張って説得してるのに...影浦さんは納得してないのか悔しそうに顔を歪めている


すると、初めて見る男の人が部屋に入って来た


恵の父
話は全て聞かせてもらった
恵、お前のしたことは犯罪だ
影浦恵
影浦恵
パパッ!?なんでパパが...
恵の運転手
恵の運転手
申し訳ございません、恵お嬢様
私が全て旦那様にお伝えさせて頂きました
影浦恵
影浦恵
なによそれ...
クビよクビ!もう爺やなんて要らないわ!!さっさと屋敷から出ていきなさいよ!!
恵の父
出ていくのはお前だよ恵
ウチに犯罪者なんか要らない。ガッカリしたよお前には
影浦恵
影浦恵
そんな.....


影浦さんの顔が絶望感に染まる
私だって絶対に許したくない


恵の父
謝っても許されないのは承知してる
金なら幾らでも用意するからどうか勘弁して...
平野紫耀
平野紫耀
子が子ならやっぱ親もクソだな
私
ちょ、紫耀...?


ずっと黙っていた紫耀がいきなり口を開いたかと思えば...怒りの含んだ声色で話し出した


平野紫耀
平野紫耀
なんでも金で解決するとか汚ねえ大人だな
俺のあなたが殺されかけたんだぞ!?金払えば済むって問題じゃねえだろ
神宮寺勇太
神宮寺勇太
ホントなら殺人未遂で逮捕されるレベルだよね
影浦恵
影浦恵
そ、そんな...逮捕だなんて...
恵の父
それだけの事をしたんだよ、お前は
私
お金も詫びもいらない...
でももうその人とは会いたくない...
お願いだからもう私たちの前に現れないで!!


ホントは怖いけど勇気を振り絞り影浦さんに向かって大声を張り上げた


恵の父
わかった。もう君たちの前には姿を見せないと約束しよう
爺、すぐに退学の手続きを
恵の運転手
恵の運転手
はっ、かしこまりました!


良かった...もう影浦さんと関わらないで済む
チラッと勇太くんの顔を見てみると幾らか安心したような表情をしてる


私
紫耀...早く帰りたい...
平野紫耀
平野紫耀
そうだな...帰ろう、俺たちの家に
神宮寺勇太
神宮寺勇太
じゃ、めぐ...さようなら
影浦恵
影浦恵
.........っ、


影浦さんは最後の最後まで悔しそうな顔をしていた
でももう一生会うことは無い



恵の運転手
恵の運転手
恵お嬢様の退学の手続きは完了致しましたのでご安心ください
では、自宅までお送り致しましょう
神宮寺勇太
神宮寺勇太
お願いします、早くあなたちゃんを帰してあげてください
恵の運転手
恵の運転手
では皆様、お車の方へ


そして、無事家まで送り届けてもらい、今回の件は幕を閉じた

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