~紫耀side~
時と言うのは残酷なもので…
今日も一日終わろうとしていた
言わなきゃ…今言わなきゃもう今日は終わってしまう…
今言わなきゃ…明日俺とあなたの関係がバラされてしまう…
今みたいにあなたがもう俺に笑いかけてくれなくなる…そう思うと心臓が握り潰される感じがした
ニコニコしてたのに…一瞬であなたの表情が変わった
今にも泣き出してしまいそう…そんな顔させたくねえのに…
嘘なわけねえだろ…だって今でもお前のこと…こんなにも愛してる
でもダメなんだよ…俺がお前を守る方法はこれしかねえんだよ…
こんな守り方…俺ヒーロー失格だな
ついに言ってしまった…
あなたの反応が怖くてもう顔が見れない
それだけ言うとあなたは泣きながら自分の部屋に戻って行った
お兄ちゃん…、もうあなたは俺のこと紫耀と名前で呼んでくれる日は来ないのだろうか
付き合い始めてから3ヶ月…
俺らの関係は恋人同士からただの兄妹へと戻った
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!