第161話

第160話
3,744
2021/04/04 02:27
~あなたside~



私の隣には浴衣を身に纏い、いつもと雰囲気の違う紫耀

髪の毛もキレイにセットされていて


カッコいい

心臓がドキドキし過ぎて壊れてしまいそうなくらい凄くカッコいい



だから私は今とてもイライラしている


だって私たちとすれ違う人…みんな紫耀のこと見るんだもん









平野紫耀
平野紫耀
すげえ人…多いな
私
そうだね
平野紫耀
平野紫耀
ぜってえ手離すなよ?
私
わかってるよ


指を絡ませてしっかりと握られる手

離すわけないでしょ?紫耀は私のなんだから




平野紫耀
平野紫耀
花火までまだ時間あるな
なんか食うか?
私
いつもの
平野紫耀
平野紫耀
はいはい、いつものな笑
じゃ並ぶか


並んだ先にはりんご飴の屋台
いつものって言っただけでちゃんと分かってくれる紫耀。
なんだかとても嬉しかった


私
…好き
平野紫耀
平野紫耀
なんか言ったか?
私
いや?なんも言ってないよ


思わずついた独り言
人混みにかき消されてよかった




____


平野紫耀
平野紫耀
はいよ、いつもの
私
ありがとう
平野紫耀
平野紫耀
お前ホント好きだよな、りんご飴
私
なによ、何か文句あんの?
平野紫耀
平野紫耀
いや?浴衣着てりんご飴持ってるお前、ちょー可愛いよ
私
あそ…///


そんなカッコいい姿でドキドキさせるようなこと言わないでよ

好きすぎて…もうどうにかなっちゃいそう





____



平野紫耀
平野紫耀
この辺なら花火も良く見えんだろ
私
そうだね、ここにしよっか
平野紫耀
平野紫耀
俺の膝の上座るか?
私
座るわけないでしょバカ
平野紫耀
平野紫耀
ちぇっ、ガキの頃はよく俺の膝の上で花火見てたのに


何やら拗ねてる紫耀の隣に座ると夜空を見上げながらりんご飴を齧った


平野紫耀
平野紫耀
俺にも一口くれよ
私
やだ


座ってた紫耀がいきなり腰を上げたと思ったら目の前が紫耀の顔でいっぱいになった


私
え…?
平野紫耀
平野紫耀
…(ちゅ♡)


リップ音と共に離れていく紫耀
今…キスされた…?


平野紫耀
平野紫耀
甘ッ…
私
ちょ、人いるのに…ッ!///


慌てながら紫耀の方を向くと目線が合う
ドキドキ高鳴る心音がうるさい


平野紫耀
平野紫耀
やっとこっち見てくれた
私
へ…?
平野紫耀
平野紫耀
お前、今日全然俺のこと見てくんねえんだもん。なんか怒ってんの?
私
それは…


私が今思ってること
そんなこと恥ずかしくて言えない


だって私のワガママなんだから



私は紫耀から視線を逸らすと口篭り、りんご飴の棒をギュッと握り締めた

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