~紫耀side~
家に着き玄関を開けるとあなたの靴があった
何事も無く帰って来れたみたいだな、一応一安心
母さんにプリンを託す
何となく自分で渡すのは恥ずかしいって言うか…喧嘩してるし気不味い
冷蔵庫の中には既にすぐ手の届く位置にあなたが買ったプリンが陣取られていた
いきなり現れたあなた
なんでこうタイミングの悪い時に現れるかね
売り言葉に買い言葉
ホントは嫌いだなんて思ってない
食い物の話でなんでこんなことになっちまうんだよ
もういいや、部屋で濡れおかきヤケ食いしてやる
____
自分の部屋に入るとベッドの上に濡れおかきが置いてある事に気が付いた
自分が買ってきたのと見比べると同じパッケージ
まさかあなたが買ってきてくれたなんて…
それよりあなたと仲直り…どうやったら出来るんだろう
アイツ頑固だからな
俺はベッドに置いてあった濡れおかきを手に取ると、溜め息を吐きながら封を開けた
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。