第86話

第85話
5,031
2021/02/24 23:11
~あなたside~


健人から聞かされた真実に私は驚きを隠せなかった

笹本瑠奈の本性...そして私を守ってくれていたお兄ちゃん

私は何一つ気付けなかった
お兄ちゃんが苦しめられていたなんて...全然知らなかった



中島健人
中島健人
ほら、あなたん家着いたよ?
私
ぁ、うん...送ってくれてありがとう


お互い無言でただひたすら歩いていると、いつの間にか家に着いていた


中島健人
中島健人
じゃ、俺は帰るから...
私
あの...健人...ホントにごめん、私...


健人のこと振り回した...と言おうとしたら、頭をぽんぽんと撫でられた


中島健人
中島健人
謝ることないよ?あなたが弱ってる時に付け込んだようなモンだし
私
付け込むだなんて...そんなこと思ってない!
一緒に居てくれて...ありがとう
中島健人
中島健人
ん、どういたしまして笑
じゃ、また学校でな
私
うん...またね、


こうして健人は来た道を戻って行った

こんなに私のことを想ってくれてるのに...
期待に応えられなくてごめんなさい...


涙で滲む目尻をグイッと擦れば深呼吸して自分家に入った



玄関にはお兄ちゃんの靴だけが置いてあった

いつもママがいるリビングは静かで、出掛けるから夜に帰るとママの字で書き置きが残されていた


お兄ちゃんと話し合うなら今しかない...

私は意を決してお兄ちゃんの部屋へと向かった




____


私
お兄ちゃん...?居るでしょ?入るよ
平野紫耀
平野紫耀
ん、


中からお兄ちゃんの声が聞こえ部屋の中に入ると、お兄ちゃんはまだ制服姿のままベッドに突っ伏していた


私
お兄ちゃん...制服、シワになるよ?
平野紫耀
平野紫耀
別にいい...


会話が続かない...どうやって伝えようか悩んでいると先にお兄ちゃんが口を開いた


平野紫耀
平野紫耀
何で俺の部屋に来たの?俺が笹本と別れたから慰めに来たわけ?


お兄ちゃんたち別れたんだ...
ホントにあの人の遊びだったんだ


私
違うよ、お兄ちゃん
私も...健人と別れたの
平野紫耀
平野紫耀
.....は!?


お兄ちゃんはビックリしながらいきなり身体を起こしてこっちを見てきた


私
全部健人から聞いた
お兄ちゃん...私のこと守ってくれてたんだね
平野紫耀
平野紫耀
そっか...全部聞いたのか...
でも俺...お前のこと傷付けたよな...
私
確かにお兄ちゃんから別れようって言われて凄く悲しかった
平野紫耀
平野紫耀
ごめん、俺が悪者になればいいと思ってた...
私
お兄ちゃんは悪者じゃないよ?
やっぱりお兄ちゃんは私のヒーローだね!
平野紫耀
平野紫耀
え...?


イマイチ状況が掴めてないのか困惑するお兄ちゃん
私はベッドの上に上がるとお兄ちゃんを抱き締めた


平野紫耀
平野紫耀
ちょ、あなたっ!?
私
私を守ってくれてありがとう
大好きだよ...紫耀

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