~紫耀side~
夏休みのとある日の夕方
あなたとリビングでゲームをしてたら母さんがお使いを頼んできた
そしてジャンケンの結果
あなたってジャンケン弱いから俺が勝つのは当たり前
だって大体パー出すんだもん
昔から変わんねえの、だからあなたが負ける率は高い
あなたが家を出てすぐ俺も後を追う
一人で行かせて虫に集られたら嫌だからな
外に出ると走って後を追った
追い付き手を握ると不思議そうにこっちを見るあなた
お使いデートもたまには悪くねえよな
ふーんって…少しはドキッとしてくださいあなたさん
____
そう?って…
やだあー何言ってんのー?って少しくらい照れても良いんではないでしょうかあなたさん
なんか最近マンネリ化してるよな俺ら
なんつーか…新しい刺激が欲しい…
スーパーからの帰り道、いきなりあなたの足が止まった
あなたの目線の先は電柱に貼られているポスター
花火大会には何度かあなたと一緒に行ったことはあるけど…カレカノとして行くのは初めてだ
これってあなたをドキッとさせるチャンスあるんじゃね?
俺もめっちゃ楽しみ
母さんに浴衣出してもらってカッコよくキメてあなたをドキドキさせてやろー
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!